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【中学生・高校受験】まずは高校の種類から知ろう

この記事の著者

曽根 大樹 / 事務責任者

高校受験を控えた中学生と保護者の皆さんは、志望校を選ぶ上で重要な要素でもある「高校の種類」について、どの程度ご存知でしょうか?

高校の種類は多岐にわたり、それぞれが異なる特徴や教育方針を持っています。適切な高校を選ぶためには、それぞれの特徴を理解し、受験生の将来の進路や興味に合わせた選択が求められます。

この記事では、志望校選びのポイントでもある学校の種類・学科・学校の課程・学校の形態について解説いたします。志望校選びの参考にしていただければと思います。

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公立・私立・国立の違いと特徴

将来の進路や個性を考え、後悔のない高校選びをするためには、まずは高校の種類について理解することが重要です。ここでは、公立高校・私立高校・国立高校の違いと特徴について詳しく解説します。
それぞれの高校の特色について紹介していきますので、志望校選びの参考にしてください。

公立高校(こうりつこうこう)

公立高校は、地方自治体や都道府県が運営する公的な教育機関です。日本全国に存在し、地域ごとに異なる教育方針や特徴を持っています。

以下に公立高校の特徴をいくつか紹介します。

  • 学費:一般的に学費が比較的低く設定されています。地方自治体や都道府県の予算によって運営されており、教育の無償化政策が適用されることもあります。そのため、経済的な負担を軽減しながら学びを進めることができます。
  • 地域密着型の教育:地域の特性やニーズに合わせた教育を提供することが特徴です。地域の文化や産業、歴史に基づいたカリキュラムや教育プログラムが組まれることがあります。地域の活動やイベントへの参加、地域との連携なども積極的に行われます。
  • 学科やコースの多様性:一般的な文系や理系の学科だけでなく、芸術、体育、情報科学、国際関係など、様々な学科が存在します。また、進学に特化したコースも提供されています。これにより、受験生の興味や将来の進路に応じた学びを選択することができます。
  • 幅広いクラブ活動:多様なクラブ活動が行われています。音楽、スポーツ、美術、演劇、科学など、様々な分野でのクラブ活動に参加することができます。クラブ活動は生徒の個性や特技を伸ばす場であり、人間形成や社会性の養成にも役立つ重要な要素となっています。

公立高校は地域に根ざした教育機関であり、多様性や地域の特色を生かした学びを提供しています。自身の進路や興味に合わせて選択することで、将来の目標に向かって成長することができます。

公立高校には以下のような種類があります。

都道府県立高校

都道府県が運営する公立高校で、地域の生徒に対して提供されます。
ただし、隣接県協定が実施されている県もありますので、お住まいの地域の自治体のホームページをご覧ください。

市町村立高校

市町村が運営する公立高校で、地域の生徒に対して提供されます。

 以下サイトも参考にしてください。

見つけよう、自分が行きたい学校

都立197校から、自分にピッタリの学校を探す!都立高校等検索サイト
引用元:東京都教育委員会ホームページ

千葉県 県立高校ナビ

千葉県 県立高校ナビ
引用元:千葉県ホームページ

埼玉県公立高校web ~夢の方向性に合う学校を探そう!~

埼玉県公立高校web ~夢の方向性に合う学校を探そう!~
引用元:埼玉県ホームページ

私立高校(しりつこうこう)

私立高校は、地方自治体や国ではなく、個別の法人や団体が運営する高校です。公立高校とは異なる特徴や教育方針を持ち、独自のカリキュラムや教育プログラムを提供しています。

  • 学校の特色:独自の教育方針や特色を持つことが多く、学校ごとに個性があります。例えば、文科系や理科系の強化教育、国際教育、芸術やスポーツに特化したプログラムなど、様々な特色を持った学校があります。
  • 充実した教育プログラム:独自の教育プログラムを展開することが多く、学科やコースのバリエーションが豊富です。多彩な選択科目やクラブ活動、進学支援プログラムなどが提供され、生徒の興味や才能に応じた学びを追求することができます。
  • 高い進学実績:多くの私立高校は進学校として知られており、大学進学へのサポートや進学実績が高いことが特徴です。進路指導が充実しており、大学受験において優れた教育を提供することを目指しています。
  • 学費や奨学金制度:私立高校は公立高校に比べて学費が必要となる場合がありますが、その一方で奨学金や助成金の制度を設けていることもあります。経済的なサポートが受けられる場合や、特定の条件を満たす生徒には奨学金が提供されることもあります。

私立高校の中には、小学校からの一貫教育を提供している学校も存在しますが、幼稚園から教育を提供している学校もあります。これらの学校では、幼少期から高校までの一貫した教育プログラムが提供され、教育理念や文化を統一した教育が行われることが特徴です。生徒は幼稚園や小学校から同じ学校に通い、教師との関係が長い期間にわたって築かれます。このような環境では、教師と生徒との距離が近く、より個別のサポートや指導が受けられることがあります。

国立高校(こくりつこうこう)

国立高校は、国立大学に付属している形態の高校です。国立大学との関係性を持ち、その教育方針や学術的な環境を受け継いでいます。以下に国立高校の特徴を説明します。

  • 教育環境:国立高校は、国立大学との連携により充実した教育環境が整えられています。国立大学の研究成果や専門知識が生徒に提供されることで、高い学術水準を維持しています。
  • 学術水準:国立高校は、国立大学との関連性が強いため、学術的な取り組みが重視されます。高度な学術知識や研究活動に基づいた教育が行われ、進学志向の強い生徒にとっては、大学進学への有利な土壌となることが期待されます。

国立高校は国の教育政策の影響を受けつつ、高い学術水準を保ちながら地域に密着した教育を提供しています。そのため、学術的な志向を持つ生徒や研究に興味のある生徒にとって魅力的な選択肢となっています。

これらの高校の違いを理解し、自身の進路や学習スタイルに合った高校を選ぶことが重要です。志望校選びの際には以下のポイントも考慮してみてください。

学科の選択について考える

志望校選びにおいて、重要な要素の一つに学科の選択があります。
お子さんの将来の進路や興味関心に合わせて、どの学科を選ぶか検討する必要があります。ここでは、異なる学科の特徴や内容について紹介します。お子さんの目標や関心に合った学科を見つける参考にしてください。

普通科

普通科

普通科は、進学を目指す多くの生徒に向けた学科です。一般的な教育を重視し、幅広いカリキュラムを提供する学校があります。普通科では、国語・地理歴史・公民・数学・理科・外国語(英語)・保健体育・家庭・芸術・情報・理数科目などを中心に学びます。また、総合的な探究の時間も設けられています。

学年が進むと、文系・理系などのコースに分かれたり、3年次からはより具体的な進路に合わせた教育が行われたりします。このようなカリキュラムの構成により、卒業後の進路に合わせた教育が提供されます。

普通科の特徴

  • 広範な学習領域:文系科目と理系科目の両方をカバーしています。これには、国語、数学、英語、社会科学(歴史、地理、政治・経済)、自然科学(物理、化学、生物、地学)などが含まれます。
  • 進学準備: 大学進学を目指す生徒にとって一般的な選択肢であり、多くの場合、大学入試に必要な科目を広範にカバーしています。
  • 選択の自由度: 生徒は自分の興味や進学計画に基づいて、多様な科目から選択することができます。これにより、生徒は自分の学習経験をカスタマイズし、特定の分野に深く掘り下げることも、広範な分野にわたる教養を得ることも可能です。

上記は一般的な特徴です。具体的なカリキュラムや教育方針は学校により異なります。

普通科は、保護者の方にとっては一般的な学科であり、進学を目指す生徒にとっても広範な教科目をバランスよく学ぶことができる学科です。これによって、幅広い知識や基礎的なスキルを身につけることができます。進学先や将来の進路に応じて、適切な教育が提供されるため、お子さんの成長と将来への準備をしっかりと支えることができます。

国際系・外国語系学科

国際系・外国語学科

グローバル化が進む中で、国際的な視野や外国語教育に重点を置いています。どのような取り組みが行われているのか特徴を紹介します。

国際系・外国語系学科の特徴

  • 国際教育の強化: 国際・外国語教育に力を入れている高校・学科では、英語を重点的に学ぶだけでなく、国際的に活躍する人材の育成を目指しています。社会的な課題に対する教養やコミュニケーション能力、問題解決能力などを身につけるためのさまざまな取り組みを行っています。
  • 実践的な学習体験: 国際交流や討論会、海外研修などの体験を通して、生徒は新たな刺激を受け、成長することができます。これらの活動は、生徒が実際に国際社会で活躍するためのスキルを磨く機会を提供します。
  • 海外研修や留学の機会: 学年全員で海外研修に行くなど、海外での研修や留学の機会が充実しています。これにより、生徒は生きた英語を身につけ、異文化理解を深めることができます。
  • 語学スキルの向上: 英語スピーチ、英作文、英語ディベートなどのコンテストに参加したり、資格試験に挑戦したりするなど、語学力を着実に向上させる機会が充実しています。

将来の国際的なキャリアや異文化に触れる機会を求める生徒にとって、魅力的な学科となることでしょう。

理数系学科

理数系学科

科学技術系の人材育成が国際的な競争力向上に欠かせないとされる中、理科や数学を重視した教育が提供される高校・学科に注目が集まっています。

理数系学科について説明する際に欠かせない要素が、SSH(スーパーサイエンスハイスクール)です。SSHは、理数教育に力を入れた学校を支援する取り組みであり、科学技術系の人材育成や競争力向上に向けた取り組みとして注目されています。

SSH(スーパーサイエンスハイスクール)とは

2002年からはじまった文部科学省が科学技術や理科・数学教育を積極的な高校及び中高一貫校を支援する制度のこと


スーパーサイエンスハイスクール(SSH)
引用元:文部科学省ホームページ

SSH指定校は、特に理数系学科を設置している学校に多く見られます。SSH指定校では、優れた教員陣や充実した学習環境が整えられており、科学的思考力や論理的思考力を養うための授業や研究に重点的に取り組んでいます。

以下に、理数系学科の特徴を説明します。

理数系学科の特徴

  • 数学:基礎から応用まで幅広い内容を学びます。代数や幾何学、微積分などの数学的な概念や問題解決の方法を習得することで、論理的思考や数理能力を養います。
  • 理科:物理学、化学、生物学などの理科にも重点的に取り組みます。実験や観察を通じて科学的な思考や実践的なスキルを身に付けることで、自然現象や科学的な原理を理解します。
  • 育成:数学や理科の応用分野に興味や関心を持つよう促されます。工学や情報技術、医学など、実社会での応用が求められる分野に進むための基礎知識やスキルを身に付けることができます。

将来、科学技術分野で活躍するための基礎知識やスキルを深めることができます。保護者の方にとっては、お子さんの将来を見据えた科学技術教育が重視される学校・学科が選択肢として考慮されることでしょう。お子さんが科学技術に興味を持ち、その分野での学びや研究に挑戦することができる環境が整っています。

専門学科

専門学科は、特定の分野において深い知識や技術を身につけることを目指すために設けられています。一般教養科目に加えて、特定の専門科目を重点的に学ぶことが特徴です。このような学科では、専門性を追求するための充実したカリキュラムや実践的な教育環境が提供されています。

さまざまな専門学科がありますが、ここではその中からいくつかをピックアップしてご紹介いたします。これらの学科は、それぞれ独自の特徴や魅力を持っており、学生たちは自身の興味や将来のキャリア目標に合わせて学びを深めることができます。以下では、専門学科の一部をご紹介いたします。

工業系学科

工業系学科

工業系学科は、産業や技術分野に関連した専門知識や技術を学ぶ学科です。以下に工業系学科の特徴と学ぶ内容の一例を紹介します。

  • 機械工学: 機械の仕組みや設計、製造技術について学びます。CAD(コンピュータ支援設計)やCAM(コンピュータ支援製造)を用いて機械部品や装置の設計を行ったり、工作機械を操作して実際に加工作業を行ったりする実習もあります。
  • 電気工学: 電気回路や電子機器、電力システムについて学びます。電気の基礎理論や回路設計、電子部品の取り扱いなどを学び、電気機器の組み立てや制御プログラムの開発などの実習も行われます。
  • 建築・土木工学: 建築物や構造物の設計や施工に関する知識を学びます。建築計画や建築図面の作成、建築材料の特性や施工技術について学ぶほか、実際の建築現場や模型を使用した建築実習も行われます。

工業系学科では、専門的な知識や技術を学ぶだけでなく、実践的な能力や問題解決力を養うことも重視されます。実習や実地訪問などを通じて現場の実情を学び、実際の課題に取り組む機会も提供されます。また、産業界との連携やインターンシップの実施など、実践的な経験を積む機会もあります。

工業系学科を選ぶことで、製造業やエネルギー分野、建築・土木業界などでの就職や進学に向けた準備が進められます。また、技術力や発想力を備えた人材を育成することにより、社会や産業界の発展に貢献することも期待されています。

商業系学科

商業学科

商業系学科は、ビジネスや経済に関連した知識やスキルを学ぶ学科です。商業やビジネスに関連する実践的な内容を学ぶことができます。以下に、商業系学科の実践的な要素をいくつかご紹介します。

  • 実務経験の機会:実際のビジネス環境や企業での実務経験を積む機会が提供されることがあります。例えば、インターンシップや企業との協力プログラムを通じて、実際の業務に参加したり、ビジネスの現場を観察したりすることができます。
  • プロジェクトベースの学習:実践的なプロジェクトに取り組むことがあります。グループでのビジネスプラン作成やマーケティング調査、商品企画、販売促進イベントの企画運営など、実際のビジネスシナリオに基づいた課題に取り組むことで、実践的なスキルやチームワークを養うことができます。
  • 業務ソフトの学習:ビジネスに関連する実業務ソフトやツールの学習も行われることがあります。例えば、会計ソフトや販売管理システム、ビジネス分析ツールなどの使用方法を学びます。これにより、実際のビジネス環境で必要とされるデジタルスキルを身につけることができます。

これらの実践的な学びを通じて、商業系学科では実際のビジネスの現場で求められるスキルや知識を身につけることができます。また、資格の取得にも力を入れています。例えば、会計士、簿記、経済学検定、販売士、ビジネスコミュニケーションなど、商業やビジネスに関連する資格取得のサポートや対策を行っています。

情報技術系学科

情報技術系学科

コンピューターサイエンスや情報技術に特化した専門学科です。主にコンピューターシステムやソフトウェア開発、ネットワーク管理、データベース設計など、情報技術に関連する分野を学ぶことができます。

以下に情報技術系学科の特徴と学べる内容をいくつか紹介します

  • プログラミングとソフトウェア開発:主要なプログラミング言語やソフトウェア開発技術を学ぶ機会があります。プログラミングの基礎から応用まで幅広くカバーし、実際にプログラムを作成する実習も行われます。
  • ネットワークとセキュリティ: ネットワークの構築や管理、セキュリティ対策に関する知識や技術を学びます。ネットワークの設計やトラブルシューティング、セキュリティの脆弱性対策など、現代の情報システムにおける重要な要素を習得することができます。
  • データベース管理: データベースの設計、運用、管理に関する知識を学びます。データベースの正確な構築やクエリの作成、データのバックアップや復元など、データの効率的な管理方法を学びます。
  • ウェブ開発: ウェブサイトやウェブアプリケーションの開発に関するスキルを習得します。HTML、CSS、JavaScriptなどのウェブ技術を学び、インタラクティブなウェブページの作成やデザインの考え方、ユーザビリティの向上などを学ぶことができます。

情報技術系学科では、最新の技術やトレンドにも積極的に取り組みながら、実践的なスキルや知識を身につけることができます。また、将来的にはIT業界やソフトウェア開発、データサイエンス、セキュリティエンジニア、ウェブ開発などの職業に進むための基礎を築くことができます。

芸術系学科

芸術系学科

創造性と表現力を追求し、芸術やクリエイティブな分野で専門的な知識や技術を身につけることを目指す学科です。以下は一般的な芸術系学科に含まれる代表的な学科です。

  • 音楽学科: 音楽理論や楽器演奏、作曲、音楽史などについて学ぶ学科です。音楽の表現力や演奏技術を磨きながら、音楽に関する幅広い知識を身につけます。
  • 美術学科: 絵画、彫刻、デザイン、写真などの美術表現について学ぶ学科です。視覚的な表現や芸術的な感性を養いながら、創作活動や美術理論について深く学びます。
  • 舞台芸術学科: 演劇や舞踊、舞台演出などについて学ぶ学科です。演技技術や演出の知識、舞台制作などを通じて、舞台芸術の表現力を高めることを目指します。
  • 映像・メディア学科: 映像制作や映画、テレビ、インターネットメディアなどについて学ぶ学科です。映像技術や編集技術、ストーリーテリングなどを学びながら、映像表現やメディア制作のスキルを磨きます。
  • デザイン学科: グラフィックデザイン、プロダクトデザイン、空間デザインなどについて学ぶ学科です。デザインの基礎から応用まで幅広い領域を学びながら、クリエイティブなデザイン力を養います。

このような芸術系学科では、創造性や表現力を伸ばすことができます。各学科は独自の特徴を持ち、学生たちは自身の興味や才能に合わせて学びを深めることができます。

スポーツ系学科

スポーツ系学科

スポーツ系学科は、スポーツに関連する知識や技術を専門的に学ぶことができる学科です。これらの学科では、運動科学、スポーツトレーニング、コーチング、スポーツマネジメントなど、幅広いスポーツ関連の分野について学ぶことができます。以下にスポーツ系学科の特徴をいくつか紹介します。

  • 運動科学: 運動に関する科学的な原理や運動生理学、運動心理学、運動解剖学などの知識を学びます。運動の仕組みや効果について理解し、スポーツパフォーマンスの向上やトレーニング方法の最適化に役立てることができます。
  • スポーツトレーニング: スポーツ選手やアスリートのパフォーマンス向上に関するトレーニング方法や指導技術について学びます。適切なトレーニングプログラムの作成やスポーツ障害の予防・リハビリテーション方法についても学ぶことができます。
  • コーチング: スポーツチームや個人の指導方法について学びます。コーチングスキルや戦術・戦略の組み立て、選手の能力開発など、アスリートの成長とチームの成功をサポートするための知識や技術を習得します。
  • スポーツマネジメント: スポーツイベントやスポーツ施設の運営、スポーツ団体のマネジメントについて学びます。スポーツビジネスやスポーツマーケティングの知識を身につけ、スポーツ界での組織運営やイベント企画などの業務に携わることができます。

スポーツに情熱を持つ人々が自身のスキルや知識を高め、スポーツ界でのキャリアを築くための基盤を作ることができます。

看護系学科

看護系学科

看護師としての専門的な知識や技術を学ぶことができる学科です。看護師は、患者の健康管理やケアを担当し、医療チームの一員として働きます。以下に看護系学科の特徴をいくつか説明します。

  • 医療知識と技術の習得:医学や解剖学、生理学、薬学などの基礎的な医療知識を学びます。また、看護技術や医療機器の使用方法、応急処置など、実践的なスキルも習得します。
  • 患者ケアの実践: 看護師の主な役割は、患者の身体的・精神的なケアです。看護系学科では、患者の健康評価や看護計画の立案、薬物管理、バイタルサインのモニタリングなど、実際の患者ケアの実践を学びます。
  • 倫理的な視点と倫理的な判断力の養成: 看護師は、患者の権利や個人の尊厳を尊重しながら、適切な看護判断を行う必要があります。看護系学科では、倫理的な視点や倫理的な判断力の養成にも力を入れます。

医療機関だけでなく、介護老人保健施設や保育園など、いろいろな場所で需要が高まっています。

農業系学科

農業系学科

農業系学科は、園芸系、畜産・動物系、食品系、環境系など、さまざまな専門分野を含んでいます。以下にそれぞれの学科の特徴を説明します。

  • 園芸系学科:植物の栽培や管理に関する知識や技術を学びます。花卉、野菜、果樹などの栽培技術や、造園や景観デザインに関する知識を習得します。
  • 畜産・動物系学科:畜産業や動物の飼育、繁殖、管理に関する知識や技術を学びます。家畜、家禽、魚介類などの飼育方法や繁殖技術、健康管理などが学べます。
  • 食品系学科:食品の生産や加工、品質管理に関する知識や技術を学びます。食品の製造工程や衛生管理、品質検査などについて学び、食品安全や食品加工技術を習得します。
  • 環境系学科:農業と環境の関連や持続可能な農業の実現に向けた知識や技術を学びます。土壌管理、水質管理、農薬の使用制限、農業と生態系の関係など、環境保全や持続可能性に焦点を当てた学習が行われます。

これらの農業系学科では、実際の農業現場での実習やフィールドワークが重要な学習手法として取り入れられています。生徒は実際の作業や実地経験を通じて、農業分野の専門知識と実践的なスキルを習得します。また、各学科では地域との連携や産業界との関係を重視し、地域の農業発展や地域社会の持続的な発展に貢献する能力も育成されます。

総合学科

総合学科

総合学科は、普通科と専門学科の要素を組み合わせた学科です。普通科で必修とされている科目や総合学科で履修しなければいけない科目のほかに、総合選択科目や自由選択科目を自由に選ぶことができます。これにより、学生は幅広い学びの機会を得ることができます。

総合学科では、自分が学びたい科目を選択できるため、自分の興味のある分野を早い段階で積極的に学ぶことができます。また、単位制の授業形式を採用しているため、必要な単位を選んで習得することができます。
ただし、総合学科に入学する際には明確な目的や主体性が求められます。自分の興味や目標を明確に持たずに入学すると、学習の方向性が曖昧になる可能性がありますので注意が必要です。

また、総合学科では選択制の科目が多く、クラス全員が揃う時間が短いため、人間関係の構築が難しい面もあります。自主性や協調性を持って学ぶことが求められる環境です。

総合学科は自由度の高い学びの場であり、自身の興味や能力に合わせた学びを追求することができますが、目的を明確に持ち、自主的な学習態度を持つことが重要です。また、人間関係の構築にも積極的に取り組むことで、充実した学校生活を送ることができます。

単位制とは

各科目に単位が設定されており、在籍中に必要単位数を取得すれば卒業できるという制度のこと。 大半の全日制高校や定時制高校とは異なり、学年という概念が薄く、場合によっては必要単位を取得するまでに4年以上かける人もいます。

高校の3つの課程と学習形態の違いについて

高校には「全日制」「通信制」「定時制」3つの課程があります。

学生のライフスタイルや学び方に合わせて選択することができます。それぞれの課程には異なる特徴やメリットがありますので、自身の目標や状況に合った課程を選択することが重要です。

全日制・通信制・定時制の比較表

全日制(ぜんにちせい)

全日制

全日制は、一般的な高校の学習形態を指します。
生徒は通常、朝から午後まで授業を受け、学校で学習活動に取り組みます。定められた教科やカリキュラムに基づいて授業が進められ、教師と生徒が対面して学習を行います。学校内での集中的な学びと交流が特徴であり、一般的な高校生活を送ることができます。

定時制(ていじせい)

定時制

主に夜間や週末に授業を行う高校の学習形態です。
通常の全日制高校とは異なり、授業や学習活動を特定の時間帯に受けます。主に社会人や働きながら高校教育を受けたい人、学校に通うことが難しい人などが利用します。定時制は柔軟な時間帯で学習ができるため、社会人や非学校生に適した学習形態と言えます。

通信制(つうしんせい)

通信制

主に自宅や学習センターで学習を行い、通信教育の形式で進められる高校の学習形態です。生徒は教材やテキストを郵送またはオンラインで受け取り、個別に学習を進めます。
定期的な出席義務はありませんが、学習計画や課題の提出期限には従う必要があります。自己学習の能力や自己管理能力を求められる学習スタイルとなります。

通信制は単位制で単位を修得すると卒業が認められますので、課題の添削(レポート)、面接指導(スクーリング)、試験(テスト)など通じて単位を取得していきます。

高校の生活を楽しみたい、生活のリズムを整えたい、というお子さん向けに通える通信制高校もありますので、ホームページなどでチェックしてください。

多彩な学校形態を支援する高校の特徴と役割

学校形態はさまざまであり、高校3年間を選ぶ人もいれば、中学から6年間を通う中高一貫校を選ぶ人もいます。このように、異なる進学パターンが存在し、それぞれの学校形態が多様な進路選択を支援しています。ここでは、大学附属高校、産業技術高専、中高一貫校について説明します。

大学附属校

大学附属校とは

大学や学部に付属している小・中・高等学校のことを指します。
これらの学校は、大学との関係が深く、教育内容や進学支援などが大学との連携を通じて行われます。

国立・公立・私立ともに大学附属校が併設されている学校があります。
例えば、「○○大学附属中学」という名前を聞いたことがあるかもしれませんね。中学受験を考えているお子さんにとっては、中学~高校~大学まで10年間の一貫教育を受けられる学校となります。

ただし、学校名に大学の名前が入っているからと言って必ずしも附属校であるとは限りませんので、学校名だけで判断はできません。学校の公式ウェブサイトやパンフレット、説明会などで学校の特徴や関係性について詳しく確認することが重要です。

附属校はそれぞれの学校が独自の教育方針やカリキュラムを持っています。附属校に入学しても進学先は様々で、外部受験(別の学校)可能です。
ほとんどの卒業生が系列の大学に進学する学校や、「他大学進学コース」などを設置している学校もあります。併設大学よりも他大学に進学する生徒の方が多い学校もあります。ほとんどの卒業生が系列大学に進学する場合でも、勉強を疎かにしていると希望の学部に入学できないかもしれませんので、ご注意ください。

附属高校に近年人気が上昇している理由としては、大学入試改革が挙げられます。2020年度から「大学センター試験」が廃止され、「大学入学共通テスト」が導入されました。「大学センター試験」では、豊富な知識があれば問題を解くことができましたが、「大学入学共通テスト」では、学んだ知識を組み合わせて論理的に考えなければならず、正答することが難しくなりました。そのため、多くの受験生が大学附属校に入学することで将来的に大学進学が保証されるという安心感を求めるようになりました。

大学入学共通テストとは

大学進学のための入試試験で、従来の大学センター試験に代わって導入された。
試験内容は基礎的な学力だけでなく、論理的思考力や表現力などを測る総合的な能力を問われる。

メリット

  • 一度の試験で複数の大学の入試を受けられる。自分に合った大学を選ぶ幅が広がる。
  • 試験内容や採点基準が明確に定められているので、公正な入試が実現される。受験生は同じ基準で評価される。(採点者の主観で左右されることが無くなる)

デメリット

  • 一部の大学では独自の入試制度を廃止し、大学入学共通テストの結果のみで合否が判断される場合がある
  • 論理的な考え方を身につける必要がある

※一部の大学や特定の学部・学科では、面接が依然として入試の一環として行われる場合もあります。また、面接が非実施であっても、エッセイや自己PR文の提出など、受験生の個性や意欲を評価するための要素が他の形式で採用されることもありますので、各大学の入試要項や情報を確認し、試験科目や選考方法について正確な情報を得ることが重要です。

大学入試改革や入学難易度の高まりにより、大学付属校への関心が高まっています。お子さんの進路選択において、大学付属校が将来の安定した進学先となる可能性も考慮してみてください。

産業技術高専

5年間通う学校。卒業生には短大卒業と同等の資格が与えられ、大学3年生への編入資格を得ることができます。各都道府県に1~2校程度で、高度な専門分野を学ぶ学校のため入試倍率や偏差値が高いのが特徴です。

早い段階から色々な技術や専門分野が学べる学校なので、自分の取りたい資格や、やりたい事が決まっているお子さんには向いている進学先であると思います。

中高一貫校

中高一貫校とは

中学校と高等学校の教育を一つの学校で連続的に受けることを指します。一般的には、中学3年間と高校3年間の計6年間を同じ学校で過ごす形態を指します。

中高一貫校にはいくつか異なる種類があります。以下に代表的な中高一貫校の種類を挙げておきます。

  • 公立中高一貫校:公立学校が設置する中高一貫校のこと。
  • 私立中高一貫校:私立学校が設置する中高一貫校のこと。
  • 大学附属中高一貫校:大学が設置する中高一貫校のこと。

中高一貫校には中学からのみ募集する学校(完全中高一貫校)と高校からも募集する学校があります。
完全中高一貫校は高校からの募集を行っていませんので、お子さんが「どうしてもこの高校に入学したい!」という強い意思がある場合は、中学受験の準備が必要になります。

中高一貫校の種類

私立中高一貫校は、中高一貫校完全中高一貫校の2種類があります。国立中高一貫校は、中高だけでなく、小中高の一貫教育を行っている学校も多くあります。公立中高一貫校は「中等教育学校(完全型)」「併設型」「連携型」の3種類があります。

中高教育学校(完全型):6年間を前期課程と後期課程に分けて指導。連続性を持った6年間を過ごせる。後期課程(高校3年間)からの外部からの募集は無い。

併設型:中学校から高等学校へ無選抜で進学できる。外部からの入学希望者には高校入試がある。※併設型から完全型に移行する学校が増えている。

連携型:中学校と高等学校が連携し、教育の計画や教師・生徒の交流などを通じて中高一貫教育を実施する学校ですが、一つの学校ではありません。

最後に多々ある学校とは異なるニーズや興味を持つ生徒さんのための学校を紹介致します。

多様なニーズに応える特別な学校の紹介

一人ひとりの生徒に合わせて柔軟する特別な学校が存在します。これらの学校は、従来の教育システムにはない新しいアプローチやプログラムを提供し、多様なニーズに応える独自の教育環境を提供しています。
これまで学校の学びスタイルでは力を発揮できなかった生徒のやる気を育て、基礎学力を身につけるための学校で、全日制・学年制・普通科(専門学科)を提供しています。

エンカレッジスクール

不登校の経験がある生徒さんに寄り添い、再び学びへの意欲を取り戻すエンカレッジスクール。個別のサポートや特別なカリキュラムを通じて、生徒さんの自信回復や学習環境の整備を重視しています。ここでは、生徒さんの個々のニーズに合わせた教育を提供し、彼らが持つ潜在能力を最大限に引き出すことを目指しています。

これまで学校の学びスタイルでは力を発揮できなかった生徒のやる気を育て、基礎学力を身につけるための学校です。
全日制で提供しているスクールです。

クリエイティブスクール

神奈川県及び大阪府で、小学校・中学校時代に十分に実力を発揮できなかった生徒に新しいかたちの学びを与える場として、クリエイティブな表現やアーティスティックな才能が発揮できるスクール。

芸術、音楽、デザインなどの専門的な領域に重点を置き、創造力や表現力を伸ばすためのカリキュラムが展開されています。生徒さんの個性を尊重し、自己表現の場を提供しながら、クリエイティブな成長を促しています。

フレキシブルスクール

神奈川県川崎市と厚木市で一人ひとりの生活スタイルや学習のニーズに合わせて時間帯を選んで学べる学校。自主学習やプロジェクトベースの学習など、多様な学びの方法を取り入れながら、生徒さんの興味や関心に合わせた学習体験を実現しています。

チャレンジスクール

小中学校で不登校の経験があったり、高校で中途退学経験のある生徒を支援するための東京都が設置する高等学校。
生徒たちは自分のペースで学びたい時間帯(午前・午後・夜間の三部制)を選んで入学することができます。自分の目標に向かって頑張りたい生徒にピッタリの学校です。
定時制で提供しているスクールです。


フロンティアスクール

神奈川県で午前部と午後部に分かれ、1日約4時間(半日単位)の授業を受けて、ゆっくりじっくり学ぶ昼間定時制の学校。
新しいアイデアや技術に対する好奇心を刺激し、学問や社会のフロンティアに挑戦する生徒さんを支援しています。独自のプログラムや研究活動、国際交流などを通じて、グローバルな視野を持ち、問題解決能力や創造性を伸ばす機会を提供しています

パレットスクール

埼玉県が設置している、不登校経験者、高校中退者、勤労学生などが通える総合学科・単位制の高校。教育ニーズの多様化などの課題を解決するため、「21世紀いきいきハイスクール構想」に基本理念として、その取り組みのひとつとなっています。

トライネットスクール

引きこもり・不登校などさまざまな理由から学校に通うことができない生徒のために東京都が設置した都立の通信制高校です
以下のコンセプトを掲げています。

  • だれでも学べる学校
  • いつでもどこでも学べる学校
  • 多様な内容を多様な方法で学べる学校

自分に合った高校を選ぶために

学校の種類やしくみ、学習形態は、お子さんの個別のニーズや将来の目標に合わせた教育を提供するために存在します。重要なのは、お子さん自身の興味や目標に合った学校を選ぶことで、充実した高校生活と将来の進路につながる道を見つけることです。

高校選びはお子さんの将来を左右する重要な選択ですから、この記事を参考にしながら、学校の種類・学科・学校の課程・学校の形態などのポイントを押さえて、将来への一歩を踏み出すための重要な準備にご活用いただき、成功につなげてください。

様々な情報を収集し、自分の目指す将来像や学びたい分野に合った高校を選ぶことで、充実した高校生活と将来へのステップアップを目指しましょう。もしご相談・お悩み事がありましたら、お気軽にあすなろまでご相談ください。


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この記事の著者

曽根 大樹 / 事務責任者

私自身、不登校になった期間があります。でも、あるキッカケのおかげで立ち直ることができ、学校に通うことができました。勉強にも苦労しました。とても厳しい部活で成績が悪いと練習に参加できないため、家に帰ってから必死に勉強しました。でも、疲れていて集中できない。勉強のやり方もわからない。気持ちばかりが空回り…。そんな状態を救ってくれたのが友達のお父さんでした。時間や勉強の仕方を少し工夫するだけで成績は伸ばせることを教えてくれました。ちょっとしたキッカケや工夫で状況は大きく変えられることを、自分の経験を活かして、一人でも多くのお子さんに伝えていきたいと思います。

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