子どもへの対応

不登校の子が学校を休みたい本当の理由と学校への伝え方

この記事の著者

柳 聡明 / 不登校訪問専門員

お子さんが毎朝、「今日は学校行けない」と言うことでお悩みではありませんか?

初めのうちは「何かあったのかな?」と大目に見ることができても、そんな日が続くと学校へなんて言ったらわからなくて困ってしまうし、お子さんの対応にも困ってしまいますよね。

そこで今日は、子どもが学校を休みたい本当の理由と学校を休む場合の学校への伝え方について解説していきます。
これを読むとお子さんの本音が分かって正しい対応ができるようになるので、ぜひ最後までお読みください。

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子どもが学校を休みたい本当の原因とは?

お子さんが学校を休む本当の理由は決してひとつではありません。様々な理由が重なり合った結果、「もう学校へは行きたくない」と不登校になってしまいます。

でも不登校になりかけの頃はそんなことはわかりませんし、親御さんは毎朝の「学校に行けない」にほとほと手を焼いてしまうのではないでしょうか?

お子さんが学校を休みたい本当の理由として代表的なものを4つ紹介します。

勉強についていけない
人間関係のトラブル
いじめられている
学校のやり方に適応できない

勉強についていけない

学業に対する不安や困難がある場合、子どもは学校を休みがちになることがあります。学校の授業や課題についていけず、自信を失い、クラスメートにどう思われているかなどを不安に感じてしまうことが原因です。

人間関係のトラブル

学校に通っていると友人やクラスメートとの関係性が密になり、時には対人トラブルにまで発展してしまいます。軽い口論から仲間外れにされてしまう場合など、様々な問題が発生している可能性があります。

このような人間関係のトラブルがきっかけで子どもは学校へ行くことが嫌になり、ついには不登校になってしまうこともあります。学校での辛い経験や不安定な関係は子どもの心に大きなストレスを与えます。

いじめられている

子どもが学校を休みたい理由として、いじめにあっている可能性も考えられます。 いじめとは身体的暴力だけでなく、言葉や態度での心理的な攻撃も含まれます。いじめられれば学校に行くことを恐れるようになりますし、教室の中も居場所がなくなってしまいます。

いじめによる精神的な苦痛は深刻で、被害者は学校を休まざるを得ない状況に追い込まれます。また、いじめを経験している子は学校へ安心して通えなくなり、精神的な病気を発症してしまう場合が多いので、お子さんの様子には厳重な注意が必要になります。

新学期など学校での変化に適応できない

新しい学年やクラス替えなど、学校での変化に適応できないと、子どもは学校に行けなくなることもあります。 また新しい環境や新しい友達を作ることが不安になり、プレッシャーになる場合があります。
さらに、これまでの学年やクラスでは馴染めなかった子たちは、新しい状況への適応が難しいと感じることがあります。

また、新学年やクラスでは学業の困難度や教科書の内容が変わることもあります。これによって子どもは学校での授業や宿題に適応できなくなることもあります。

このような環境への変化の適応が難しいと、子どもは学校に行くことが億劫になり、不登校につながることがあります。
特に優しい子や真面目なことは、物事をいいかげんにとらえることが難しいので学校に行くことが困難になる場合が多いです。

不登校の子は学校を休むとなぜ罪悪感を抱くの?

朝ぐずっていた子の言い分を聞いて学校へお休みの連絡をいれると、一時期はホッとした様子をみせますが、数時間して落ち着いてくると、今度は学校を休んでしまったことの罪悪感で落ち込んでしまう場合があります。

お子さんが学校を休んでしまった場合、罪悪感を抱く理由はいくつか考えられます。代表的な理由をあげていきます。

怠け者と思われてしまう

まず一つ目は、学校を休むことが「悪いこと」だとされている社会的な価値観や常識が影響しています。
学校は社会での生活を学び、成長する場であり、自分の人生に関して無視することができない重要な存在です。そのため、学校を休むことは「サボる」と見られて、罪悪感を感じてしまいます。

自分の存在を迷惑者と感じる

二つ目は、学校を休むことで周囲の人々に迷惑をかけていると感じることがある場合です。 特に親御さんや友人、学校の先生など、子どもが大切に思う人たちに対して、学校を休むことで心配をかけ、いらぬ不安感を押し付けてしまったような気持ちになり、罪悪感を抱きます。

もうクラスのみんなについていけないと感じる

また、学校を休むと授業や学業に遅れを取ってしまうという心配から、「もう自分の人生はダメだ」と感じてしまい、孤独感に悩む子もいます。

孤独感におちいると周囲の人間に対して素直に対応できなくなってしまうので、誰かと顔をあわせるのがイヤになり、そんな自分に対して罪悪感を抱くことがあります。

学校を休んでいる子は多かれ少なかれ、このような罪悪感を抱いているものです。親御さんは決してお子さんを責めず、学校を休む理由や感じている罪悪感についてお子さんが話せる環境を作ってあげるよう心がけましょう。

子どもが学校を休む理由を学校にどう言えばいいの?

お子さんが「今日は学校に行きたくない」と言った場合、それを許したとしても、親御さんは毎日のように学校へ休みの連絡をいれなければなりません。
この学校への連絡は親御さんにはとてもやっかいな出来事で、毎日のように「言い訳」を考えなければならないことに困り果ててしまいます。

この項目では学校に連絡を入れる場合の対処法をいくつか紹介します。

率直に伝える

子どもが学校を休む理由が具体的であれば、率直にそれを伝えてもいいでしょう。例えば、お子さんに腹痛があれば体調不良なことを学校に直接連絡し、欠席の理由とする場合が一般的です。

一般的な休む理由

不登校初期はお子さんが休む理由として友人関係のトラブルやいじめなどを伝えられず、学校に言い訳しなければばらない場合も多いです。
下記に一般的な休む理由を挙げておきます。

・突発的な体調不良(風邪や発熱など)
・急な家庭の事情(家族の病気、家庭のトラブルなど)
・アレルギーや持病の悪化
・精神的な理由(不安やストレスなど)

休む理由は用意できると思いますが、学校には正直かつ具体的な理由を伝えることが重要です。なぜなら学校側は子どもの健康と学業を最優先に考えているので、違った理由を伝えられると適切な対応が取れないからです。

また違う理由を伝えることは学校の先生との信頼関係を損なう可能性もありますので、一定の期間が過ぎたら一刻も早く正直な理由を伝えるようにしましょう。

書類を提出する

学校から欠席の理由を含む書類の提出を求める場合があります。このような場合には、学校が指定する書類に必要事項を記入し、提出することで欠席の理由を伝えることができます。

必要に応じて医師の診断書を用意する

子どもが体調不良や精神的な理由で学校を休む場合には、医師の診断書を提出することで、理由を裏付けることができます。医師の診断書は学校に対して有利になる場合があります。

学校カウンセラーや担任に相談する

もし子どもが学校に通い続けることが難しい場合は、学校のカウンセラーや担任に相談しましょう。今後の状況を話し合い、子どもの気持ちを学校の先生型に理解してもらうことが大切です。

どの方法を選んだとしても、子どものプライバシーや心の状況を尊重することが大切です。親御さんはお子さんの考えを尊重し、お子さんと相談して学校に伝える方法を決めるようにしてください。

子どもが学校を休んだとき親ができる5つのこと

お子さんが学校を休みがちになると親御さんは動揺してしまうと思います。ですが、この段階で親御さんしかやれないことをやってあげましょう。結果としては不登校に至ってしまうとしても、深刻度が違ってきます。

子どもの気持ちを理解する

お子さんが学校を休んだ理由をしっかりと聞き、理解できるよう努めましょう。

子どもの気持ちや考えを尊重し、一緒に解決策を考えていくと、子どもの自己肯定感を高め、問題解決能力を育むことができるようになります。

必要なサポートを受ける

学校や専門家と連携し、子どもに適切なサポートをしてあげましょう。カウンセリングや学習支援などが必要な場合は、専門家のアドバイスを仰ぎながら対策していくと、効率よく子どもの学力を上げ、成長を手助けすることができます。

家庭をリラックスできる環境にする

不登校の子は学校や人間関係におびえていることが多いので、家庭の雰囲気を落ち着きのある、安心できる場所にしましょう。子どもがリラックスして過ごせるように、安定した日常生活や心地よい時間をつくってあげましょう。

学校との連携を大切にする

子どもが学校を休む場合、学校との連携が重要です。学校の先生やカウンセラーとコミュニケーションを取り、子どもの進級や学業への影響を最大限考慮してあげられる環境を作っていきましょう。

これらのことを心掛けていくと、少しずつお子さんに適切なサポートをしてあげることができるようになります。また、そうすることで学校を休んでいたとしても、お子さんの成長を手助けし、不登校解決へ向かって前向きに歩いていけるようになります。

子どもが学校を休みがちになったら、家庭に居場所を作ってあげよう

子どもが学校を休む理由は様々で、勉強の遅れや人間関係のトラブル、いじめや学校の環境変化への適応困難などが考えられます。また学校を休んでしまった子は、罪悪感や焦りを抱くことが多くあります。

そんなとき、親御さんは子どもの気持ちを理解し、一緒に話し合うことが重要です。 子どもの心の問題に対して適切なサポートを提供し、学校との連携を大切にすることで、子どもの健やかな成長を手助けすることが可能になります。

不登校の子は親御さんの暖かいサポートがなければ、自分自身を受け入れることができなくなってしまいます。家庭に安心できる雰囲気を作り、お子さんの居場所を作ってあげられるよう心がけてください。

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この記事の著者

柳 聡明 / 不登校訪問専門員

とにかくサッカー漬けの毎日。8歳からサッカーを始め大学でもサッカー部に所属していました。高校は県でも有数の進学校にスポーツ推薦で入学。なので、授業についていくのにも必死。最初の定期テストでは赤点も3つ…。この成績が続くと部活もクビに…。なんとかしなければと、登下校の時間やスキマ時間を使って、勉強と部活の両立の方法を考え乗り越えてきました。こうした自分の経験も活かして、勉強で困っているお子さんを一人でも多くサポートしていきたいと思います。

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