子どもの不登校の原因は母親かも!?家族の接し方と不登校の乗り越え方
「不登校の原因て親にあるの…?」
「一生懸命育ててきたのに…」
「…もしそうだとしたら…どう接したらいいの?」
こんなことでお悩みではありませんか?
お子さんが不登校になってしまうと一番心配して、あれこれ調べたり支援してくれる場所に出向いたりと、心と身体をボロボロにしながら動くのは、やっぱりお母さんだと思います。
でもネットには、そんなお母さんこそが不登校の原因だという記事もよく見かけます。
「ええっっ!?」とビックリしてしまいますが…、
そういった記事があるのは事実なので、まず根本的な理由を確認しながら、なぜ母親が原因といった話が浮上するのかについて知っておく必要もあると思います。
そこで今日は、そこから深掘りして、仮に母親が不登校の原因になっているとしたらどう対処していくのかを確認し、解説していきます。
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そもそも、不登校の原因が母親に「だけ」あると考えないこと
まず、不登校の原因が母親にだけあるとは考えないでおきましょう。
ではなぜ母親が不登校の原因になっているといわれるのかというと、日本の子育てには男女差の問題があるからです。
たとえば、内閣府の調査によると夫婦の家事と育児の分担割合では、母親の負担が高い状態にあると統計的に明らかにされています。
父親がお子さんの教育に携わるケースも増えてきていますが、日本ではまだまだ母親が主導でしているので、「不登校=母親側に問題があるのでは?」と考えられがちです。
とはいえ、不登校の問題は今までの原因の積み重ねであり結果なので、決して母親だけの問題で片付けられるものではない点は押さえておきましょう。
仮に母親の問題が多少あったとしても、不登校という症状が出ている今では、氷山の一角でしかない場合の方が多いと感じます。
不登校は母親が原因といわれてしまう理由
先ほど家事の負担割合が母親のほうが多いからこそ、不登校の原因ではないかといわれているとお伝えしてきました。
ただ、その問題も氷山の一角であり、母親が子育てをメインに担っているからこそ、二次被害的に出てくる問題もあります。
その点を踏まえて、よく言われている以下の理由について、深掘りしていきましょう。
● 過保護・過干渉がある
● 母親の愛情を十分に注いでいない
● 世間体を気にしてしまう
● 教育が熱心過ぎる
● お子さんの考えを受け入れない
過保護・過干渉がある
不登校の母親が原因といわれてしまう理由の一つ目は、過保護や過干渉がある点です。
お腹を痛めて産んだからこそ愛情を注ぎたい!と思う気持ちは、どんな人にもあると思います。
もちろんこの考えに間違いはなく、それが母親の役割だと思いますよね。
とはいえ、良かれと思って過保護や過干渉しすぎると、お子さんは母親に判断を委ねるようになり、甘えが生じ、不登校になる前の登校しぶりにつながってしまう恐れもあります。
そして愛情と過干渉は、まったく別のモノだという認識がないと、間違った愛情のかけ方をしてしまう場合もあります。
過保護や過干渉は、どんな子どもにとっても悪影響もあると考えてください。
母親の愛情を十分注いでいない
逆に母親の愛情を十分注いでいないと、愛着障害になってしまう可能性もあります。
愛着障害とは、親御さんの愛情を受け取れずに、少し離れると遠くに行ってしまうのではないかと感じ、依存する子どもに育ってしまうことです。
たとえば、親御さんと離れて学校に行くのはイヤだと泣きわめき、学校に行かないといった行動をとるのが愛着障害です。
保育園や幼稚園ではよく見られる風景ですよね。
それが成長しても続いてしまうと、不登校の要因になります。
世間体を気にしてしまう
また世間体を気にしてしまうのも、母親が不登校の原因ではないかといわれる理由です。
母親は育児に関わると同時に、ご近所付き合いといった家の外のことも行わなければなりません。
小学校の頃に母親同士で集まると、やはり話題にあがってくるのはお子さんの成績やどれだけ勉強しているか等です。
それに加えて人様の課外活動の成績などを聞くと、「ウチの子もなんとかしなくては!」と、家の中でお子さんに無理をさせてしまった経験もあると思います。
ですが、お子さんにも個人差があるので無理はできません。
このように世間体を気にした結果が不登校となり、母親が原因と言われる所以です。
教育熱心過ぎる
世間体の話をもう少し深掘りすると、教育熱心な母親像も見えてくるはずです。
教育熱心といっても、お子さんの興味の赴くままに勉強させているのであれば、お子さんに負担はありません。
しかし、世間体を気にして小学生の頃から高校英語の勉強をさせていては、お子さんに無理ばかりかけてしまいます。
発達段階において学ぶべき内容は異なってくるのに、無理をして勉強させることは一種の虐待と考えても問題はありません。
ご家庭が安らげる場所ではなく、怖い場所となってしまえば、お子さんは学校に行く気力がなくなります。
お子さんの考えを受け入れない
一昔前まではスパルタ教育といった言葉も流行っていましたが、お子さんのしたいこと・考えを無視して、理想のお子さんを育てようとすると不登校になってしまう恐れがあります。
たとえば、遊びたいのに無理をして勉強させるとモチベーションはまったくあがりません。
もちろんお子さんが宿題をやっていないなどの問題を抱えているときは叱る必要もあります。
でも、親御さんが思う理想のお子さん像から離れているから叱るのは、躾でも教育でもありません。
繰り返しになりますが、家はお子さんが安心して過ごせる場所であり、このベースがなければ学校に行きたくなくなります。
ですから行き過ぎた親御さんの押し付けは、不登校の要因になってしまいます。
母親が原因で不登校になりやすいお子さんが抱える特徴と傾向
では母親が原因で不登校になりやすいお子さんが抱える特徴と傾向は、どのようなものがあるのでしょうか?
具体的には次の通りです。
● 自己解決能力がない
● 心配性
● 甘えがある
● コミュニケーション能力に難がある
さっそく見ていきましょう。
自己解決能力がない
母親が原因で不登校になりやすいお子さんが抱える特徴の一つ目は、自己解決能力があまりない点です。
というのも、過保護や過干渉を受けているお子さんだと、自ら考えて動くといった習慣がなくなってしま
うからです。
課題に対して自己解決をするのは、一定の慣れと自信が必要になります。
たとえば、「〇〇しても大丈夫かな?」とお子さんが思っているところに、親御さんが「〇〇は△△しなさい」と、いろいろな情報を前もって伝えていたらどうでしょう?
お子さんのなかでは親御さんに頼めば何でも教えてくれるといった意識が育ってしまい、自ら解決できるようになりません。
学校のなかで起こった問題に対しても同様になってしまい、自分で解決できないから親御さんに依頼する、親御さんに頼っても解決できないとなったら登校しぶりが発生してしまい、不登校につながってしまいます。
心配性
また心配性である特徴や傾向も、お子さんが持つようになります。
心配性にも2つの種類があって、いい心配性があるのと、悪い心配性があるのをご存知でしょうか?
● いい心配性:行動が前提でやることをきちんと確認する
● 悪い心配性:行動しないことが前提で言い訳を考える
心配性という言葉はどちらにも使えますが、親御さんに依存したお子さんは、悪い心配性を抱えがちです。
行動するにしても親御さんのアドバイスがないと動けないので、すぐに解決しないといけない学校内の問題でも対応が遅れてしまい、大きな問題に発展する可能性が高くなってしまいます。
甘えがある
自己解決能力がなく、心配性な側面を抱えるのは、親御さんに対する甘えが原因です。
依存と言い換えてもいいでしょう。
何をするにしても親御さんに依存しないとできない子に育ってしまうと甘えが生じ、行動が遅れ、登校しぶりにつながるような大きな問題を、学校内で抱えてしまうかもしれません。
たとえば、友達と喧嘩して、自分が悪いのにすぐ謝らず、さらに相手が悪いと逆切れするなど、問題がどんどん大きくなっていくような事は容易に想像できますよね。
謝るといった行動も、お子さん自ら「自分が悪かったな。謝ろう」と決断しなければならないので、甘えが生じてしまっているとできなくなります。
ですから、発達段階に応じてきちんと自ら行動できるよう、徐々に甘えをなくしていきましょう。
コミュニケーション能力に難がある
母親に依存しているお子さんにありがちなのは、コミュニケーション能力に難がある点です。
親御さんはお子さんがいいたいことを何となく感じられ対応できますが、他の子には不可能だと分かりません。
さらに、母親が代弁して友達に伝えているようなことをしていると、コミュニケーション能力は低下していくなかりです。
コミュニケーションも、どう伝えれば友達が動いてくれるのかを何度も練習し、身につけていくものです。
ですから、母親に依存してしまうとこの能力も低下してしまい、学校で浮いてしまう結果になる点を押さえておきましょう。
不登校の原因が母親以外と判断される場合は?
とはいえ、不登校の原因が母親以外にあることや、母親を原因としながらも他の要因も一緒にあるといった事例が多いのが現状です。
具体的に、母親が原因になる以外の、不登校の原因をお伝えすると次の通りです。
● 学校内に原因がある
● 家庭内不和がある
● お子さんが頑張りすぎてしまった
それぞれのシチュエーションを確認していきます。
学校内に原因がある
学校内に不登校の原因がある場合、以下のような問題が考えられます。
● イジメ
● 先生の態度が原因
● 友達との不和
● 勉強についていけない
● 周りから浮いてしまい友達ができない
詳しく見ていきましょう。
イジメ
学校内に不登校の原因がある場合に、真っ先に思いつくのはイジメです。
イジメ問題は昨今、急激に社会問題化していて、お子さんも巻き込まれていないかを親御さんは心配になります。
特にイジメは人の尊厳を失ってしまいがちで、イジメられていることを恥ずかしく思い誰にも言えないケースも多いです。
また、SNSの発達やスマートフォンをお子さんが持つようになり、ネット上でもイジメが繰り広げられる恐れがあるので、登校しぶりや不登校になり、お子さんがふさぎこんでいたら、落ち着くのを待って必ず理由を聞くようにしてください。
先生の態度が原因
また先生の態度や先生が嫌いという理由から、不登校になってしまうお子さんもいます。
小学生のお子さんの事例で、「先生が変わったら新学期からケロッと再登校した」といったこともあります。
お子さんも人なので好き嫌いがあるのは当然です。
ただ、この場合と違い問題になるのは、先生がお子さんを攻撃していた場合などです。
お子さんからこのようなシチュエーションを聞いたときには、焦らずにきちんと対策を考え、校長先生、教育委員会、また学校側に問題があった場合を考え、まったくの第三者にも相談していきましょう。
友達との不和
友達との不和も、登校になる要因となってしまう恐れがあります。
仲良しだった友達との会話が唯一の楽しみだった子が、仲が悪くなって話をしなくなれば、当然、学校へ行くモチベーションも下がってしまいます。
仮に友達との不和があったとしても、親御さんがどうにかするといったことはできないので、一旦様子を見て、二人が話し合う機会を設けるといいでしょう。
ただし、この場合は、相手方のお子さんの親御さんの許可も必要です。
勉強についていけていない
学校が原因で不登校になる原因の1つに、勉強についていけないというものも含まれます。
たとえば、発達障害のLDを抱えてしまい、どれだけ頑張っても周りのお子さんから置いていかれてしまうとなると、学校に行くモチベーションはわきません。
それにテストができず、努力してもできない状態は自己肯定感を下げてしまいます。
もちろん自宅学習できちんと追いつくための勉強をするのも必要ですが、障害が問題になっている場合には、自己肯定感を育て「いつかは必ずできるようになる」または「できなくても大丈夫!」とお子さんに思わせることが重要です。
周りから浮いてしまい友達ができない
発達障害関連については、周りから浮いてしまって友達ができないといった原因も考えられます。
たとえば、ADHDのお子さんは突発的に、いわゆる空気が読めない行動をして浮いてしまい、ASDを抱えるお子さんはコミュニケーションが取りづらいので浮いてしまう、といったことが考えられます。
そのため、まずはお子さん自身にどのような特性があるのかを確認しながら、学校で注意すべきことをご家庭で訓練し、適応教室やフリースクールの利用も考えましょう。
家庭内不和がある
続いては母親に原因はなくても、家庭内不和が起こっている場合です。
繰り返しになりますが、家庭はお子さんが安心して過ごせる場所であり、親御さん同士の間で不和があると安心できる場所ではなくなります。
このような場合、お子さんは無気力になりがちで、甘えや学力が不足しているから不登校になるのではなく、精神疾患から不登校に陥ります。
精神疾患はお子さんの将来に暗い影を落としますし、根治するまでに時間が掛かるものなので、親御さんは、まず家庭内不和を解消するところからスタートしてみましょう。
お子さんが頑張りすぎてしまった
最後はお子さんが頑張りすぎてしまった結果、精神疾患を患い、物理的に不登校になってしまった場合です。
小学校では起こりにくく、進学校に進学したお子さんに起こりやすいと言えます。
周りの学力レベルに追いつくため、夜を徹して勉強した結果、うつ病などの精神疾患に掛かってしまった可能性があります。
ここまで紹介してきたように、不登校になる要因はさまざまあるため、決して母親だけが原因になることはありません。
とは言え、母親がかかわっていないケースは稀なので、次の項目では、『母親が原因の場合はどうするのか?』を解説します。
不登校の原因は母親が原因の場合
不登校の原因に母親が関わってしまっていた場合の対処法は、次の通りです。
● まずは問題を受け入れる
● 自分自身がふさぎ込まない
● 専門家に相談し解決策を考える
● お子さんと対話する
それぞれ解説します。
まずは問題を受け入れる
不登校の原因に母親が原因になっている場合には、まず問題を受け入れるところからスタートしましょう。
問題を解決するためには、今現在どのような問題に直面しているのかを知ることが大切です。
もちろん大人になってからできていないこと・やってしまったことを受け入れるのはプライドが傷つけます。
ただ、お子さんの将来を考えるのであれば、プライドは一旦置いておきましょう。
自分自身がふさぎ込まない
とはいえ、問題を受け入れたからといって母親自身がふさぎこんでしまうと、親子で共倒れとなってしまいます。
そのため、まずは不登校から再登校できるようになることを目標に、母親主導で改善策を考えていきましょう。
専門家に相談し解決策を考える
またお子さんが不登校から再登校するまでには、親御さんから第三者視点で「改善するところ」を見ることができますが、親御さん自身の改善しなければならない点は誰も見てくれません。
お子さんのチェックが必要なように、親御さんもチェックが必要ということです。
仮に親御さんが間違った行動をしているのであれば、専門家の方に依頼して行動を変えていく必要があります。
例えば精神科のカウンセリングを受ければお金はかかってしまいますが、お子さんの現状を考えれば、そうも言っていられません。
何より、子どもには親の立派な後ろ姿をみせるのが一番の教育ですから、ここは自分自身に投資していきましょう。
お子さんと対話する
最後は親子のできていないところや課題を消化しながら、今まで以上にお子さんと対話を行っていきましょう。
親御さんは教育熱心で、もしかするとお子さんの声に耳を傾けていなかったかもしれません。
お子さんにはお子さんの考えがあり、まずは受け止めてあげるところからスタートしましょう。
とはいえ、親子間での対話だけでは、不登校から再登校に完全につながらないので、引き続き、学校の問題、先生の問題、友だちの問題などを片付けていきましょう。
母親以外の不登校の原因は?
仮に母親も不登校の原因に関わっていたとしても、学校側にも問題がある可能性はあります。
とすると、親子間の問題を解決するとともに学校側の問題もあわせて解決していく必要がありますよね。
そこで、最後の項目では学校側の問題をどのように解決していくのかをメインに、以下のような対策方法を考えていきます。
● お子さんを十分に休ませる
● 学校側と連携して対策を考える
● 生活リズムの管理を徹底する
お子さんを十分に休ませる
不登校の原因を解決するための方法の一つ目は、お子さんを十分に休ませることです。
というのも、学校側の問題で不登校になった場合、ストレスが溜まりきって何もしたくない状態に陥っている可能性があるからです。
理由を聞いたり、再登校に向けて勉強したりといった対策も必要ですが、十分な休息が取れて、家でなら話せるようになってから対策するようにしてください。
仮に疲れている状態のお子さんから何かを聞き出そうとしても、明確な答えは帰ってきませんし、お子さんをますます疲れさせてしまうだけです。
ですから、十分な時間を取り、お子さんが笑うようになってから対応するようにしてください。
学校側と連携して対策を考える
とはいえ、お子さんを休ませている間に、親御さんは学校側に働きかけることが可能です。
学校側との連携はどうしても親御さん主導で行っていかなければならないため、早期に動き始めるようにしましょう。
たとえば、お子さんが休んでいる間に、『イジメがなかったか?』『先生の態度に異変がなかったか?』等、学校側にさまざまなことを聞けます。
もちろん学校側もすべてを把握しているわけではありませんが、情報があるかないかは、今後の対処法を考えるかなめになります。
ただ、親御さんが感情的になってしまうと建設的な話ができないため、両親が同席し、何が問題なのか?を前向きに検討していきましょう。
生活リズムの管理を徹底する
最後はお子さんの生活リズムを管理することです。
不登校となると在宅で勉強することになるので、思っている以上に、運動がおろそかになってしまいます。
すると、寝る時間が遅くなり、朝起きる時間も遅くなってしまいがちです。
この状態が続いてしまうと再登校できるようになってからも朝起きられず、『生活リズムの乱れから登校できない』という、新たな問題に発展してしまう恐れもあります。
早寝早起きは習慣の1つなので、不登校になったからといって管理するのを止めるのではなく、きちんと対策を行うようにしましょう。
ただし、お子さんが疲れから無気力になっている間は、お子さんの好きにさせてあげ、元気になってきたら改めて生活リズムを整え直しましょう。
不登校の原因はいろんな事例の積み重ね。母親だけに問題はないが、母親の行動も改める必要あり
『不登校の原因は母親にあるの?』 この結論をもう一度お伝えすると、確かに母親が関わることもありますが、他の原因も積み重なることが多いということです。
もちろん母親が原因なだけの不登校もあり得るでしょうが…、人間の人生に起こってしまったことで原因がひとつというのもおかしな話で、やはりいろんなことがあったと考えていかないと対処法を間違えます。
根本的な解決策としては、現状を受け止め、何が問題なのかをきちんと理解することです。
不登校という現実は変わらないので、まずは問題点を確認し、1つ1つの解決策を親子間や学校、そして支援場所などと連携しながら考えていきましょう。
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