子どもへの対応

小学生が不登校になる原因とは?その理由と接し方

この記事の著者

曽根 大樹 / 事務責任者

お子さんが不登校になってお悩みではありませんか?
ここ数年で、コロナの影響でライフスタイルが変わり、小学生でも不登校になってしまうお子さんが増えています。お子さんが不登校になることは親にとってもつらいことですし、お子さん自身も学校に行くことができなくなり、不安や寂しさを感じてしまいますよね。

そんな時、家族が一緒にいて話を聞いてくれることが、お子さんにとっての大きな支えになります。

ですが、「何をしてあげればいいのかわからない」「誰に相談したらいいのかわからない」という方もいらっしゃるかもしれません。

そんな方のために、小学生が不登校になる原因と、家族としてどのように接してあげればよいのかをご紹介します。これを読むと、お子さんに何をしてあげればいいかがわかって、親御さんの気持ちもスーッとラクになるはずです。ぜひ最後までお読みくださいね。

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不登校の定義とは

不登校と聞くと、ずっと学校に行かないというイメージがあると思いますが、実は不登校には明確な定義があるのを知っていましたか?
文部科学省では、以下のような場合が不登校の定義としています。

「何らかの心理的、情緒的、身体的あるいは社会的要因・背景により、登校しないあるいはしたくともできない状況にあるために年間30日以上欠席した者のうち、病気や経済的な理由による者を除いたもの」

参考:文部科学省:不登校の現状に関する認識

つまり、病気や経済的理由によって、一年間に30日以上休んだ場合「不登校」とみなされるのです。

では、小学生においては、どの程度の不登校のお子さんがいるのでしょうか?
次で詳しく説明していきます。

不登校の小学生の割合

最初にも述べましたが、近頃コロナの影響でライフスタイルが変わり、不登校になってしまうお子さんが増えています。2021年度の文部科学省の調査によると、小学生の不登校児童数は約8万1000人となり、前年度より1万8000人以上増加しました。
小中学生の全体の不登校児童数は24万人を超え、9年連続で増加していることがわかっています。
この数字は、小中学生の不登校が深刻な問題であることを示しています。

では、小学生が不登校になる理由は何でしょうか?

小学生が不登校になりやすい6つの原因

小学生が不登校に至るには様々な理由があると言われています。ここでは、特に多い6つの原因について一緒に見ていきましょう。

原因その1 環境の変化

小学生が不登校になる原因には様々なものがありますが、その1つに『環境の変化』が挙げられます。

新しい学校や新しいクラスに移る際には、クラスメイトや教師との関係性が変わるため、お子さんにとって大きなストレスや不安を感じてしまうことがあります。新しい環境になじめず、不登校になってしまったというお子さんも少なくありません。

そんな時は、親御さんがお子さんの気持ちを理解してサポートすることが大切です。
お子さんと一緒に、安心できる方法を考えてみましょう。一人ではどうしても不安だと感じているお子さんには、学校への通学に付き添ってあげるのもオススメです。
お子さんが新しい環境に慣れるまで時間がかかることを理解し、焦らずに長い目で見守ってあげましょう。

原因その2 親から離れることが不安

小学生が不登校になる原因の2つ目は『親から離れることに対する不安』です。
このような不安感は「母子分離不安」などと呼ばれることもあります。

母子分離不安とは
子どもが母親や保護者から離れる時に強く感じる不安のことをいいます。常に母親と一緒に居たがる、一人ででかけられない、親と一緒じゃないと眠れないといったことがあります。

親から離れることによって、自分一人でなんとかしなくてはいけない状況に不安を感じてしまうことがあります。もし、お子さんが少しでも不安に感じる様子があれば、やさしく抱きしめてあげてお子さんが何を感じているのか話を聞いてあげましょう。

どうしてもお子さん一人で学校に行くのが難しい場合は、学校への通学に付き添ってあげたり保健室に登校したり、お子さんが安心して登校できるように学校にお願いしてみてください。

原因その3 学校の勉強についていけない

小学生が不登校になる原因の3つ目は『学校での勉強についていけないこと』です。
学年が上がるほど、学校の授業がわからなくなって、ついていけなくなるお子さんが多くなっていきます。低学年の頃はできたのに、今では成績が悪化している…なんてことが十分に有り得ます。
「問題がわからなくて宿題が出せない」「先生に当てられるのが怖い」「テストで点が取れない」「答えを間違えて、からかわれた」
こういった理由から、自信を失ったり学校に通うのが嫌になったりして、不登校へと発展してしまう場合があるんです。

勉強についていけない時は、まず学校に相談してみましょう。学校では、個別に教えてもらったり、別の時間に勉強する機会をもらったりできます。勉強の補填には、他にも学習塾や家庭教師がオススメです。

勉強に自信が持てるようになると、好きなことにもめいっぱい打ち込めるようになって、学校に行くこと自体が楽しみになります。お子さんが元気にのびのびと学校生活を楽しんでいけるように、親御さんが導いてあげましょう。

原因その4 学校での苦手なことや嫌なこと

小学生が不登校になりやすい原因の4つ目は『学校での苦手なことや嫌なこと』です。
学校でのイベントに苦手意識を持ってしまうことが、不登校につながることがあります。
例えば、運動会の場合「自分だけ失敗するのが恥ずかしい」「他の人の目が気になってしまう」などの理由がキッカケで学校に行くことが嫌になってしまうことがあります。
このような場合には、無理に参加させないようにしましょう。嫌だと思っていることを強制するのは、返って逆効果になってしまいます。

親御さんは、なぜ苦手意識を持っているのか、どうしたら嫌な気持ちが無くなるのか、お子さんから少しずつ聞き出してみてください。心配な気持ちから、ついつい沢山質問してしまうかもしれません。でも、その気持ちをグッとこらえて、お子さんから話してくれるタイミングを待ってみましょう。

理由がわかったら、どうしたら嫌な気持ちにならないか、お子さんが楽しめるような方法を一緒に考えてあげてみてください。きっと、イベントにも楽しく参加できるようになります。

原因その5 人間関係の悩み

次に挙げられるのが、人間関係の悩みです。
いじめや嫌がらせを受けてしまったり、友達や学校の先生との関係性がうまくいかなかったり、転校して新しいクラスになじめなかったりといった理由で、学校に行くことが辛くなってしまうことがあります。

そんな時、お子さんが学校でストレスを感じる原因を一緒に探し、解決策を一緒に考えることが大切です。
学校に相談することも需要です。学校にはカウンセラーもいますので、今抱えている問題を相談してみましょう。

親御さんから見たら些細な事でもお子さんからしたら重大な出来事で、心に深い傷を負っている場合があります。
お子さんが自分から話さない時は、無理に聞き出さないようにしましょう。友達から言われた嫌な事、その時の状況やトラウマを思い出してしまい、さらに傷ついてしまうかもしれません。「私は○○の味方だよ」と優しく声をかけて、お子さんが自分から話すのを待ちましょう。お子さんの気持ちが切り替えられるまで、親御さんは優しくサポートしてあげましょうね。

原因その6 発達障害や病気の関係

最後の原因は、発達障害や病気に関する問題です。
発達障害には、注意欠陥・多動性障害(ADHD)、自閉症スペクトラム障害(ASD)、学習障害などがあります。発達障害を持つ子供たちは、学校生活において多くの困難を抱えています。発達障害によって、授業に集中できなかったり、友達とうまくコミュニケーションが取れず、意図せずトラブルになったりすることもあります。このことから、学校生活において不安やストレスを抱えることが多く、不登校に陥ることがあります。

また、病気によって学校に行けなくなる場合もあります。
周囲に病気についての理解がなかったり、学校の授業についていけなかったり、人間関係に苦労することで、学校に通う事が苦痛に感じてしまうのです。

このような場合も、学校の先生やスクールカウンセラーに相談してみることをオススメします。

一番大切なのは親御さんが、子供たちが学校生活において抱える困難を理解し、気持ちを理解してあげることです。お子さんは、ちょっとした失敗の積み重ねで「なんでわかってくれないんだ」「僕だって頑張っているのに」と自信を失っています。
できないことや苦手ばかりに注目するのではなく、できるところを見つけて褒めて伸ばしてあげましょうね。

不登校の小学生の家での過ごし方

お子さんが再登校できるようになるためには、家での過ごし方が重要です。
では、不登校を長引かせないオススメの過ごし方を3つご紹介します。

家での過ごし方①:まずは心の休息をとる

不登校になってしまうお子さんの特徴として、がんばり屋さんの真面目な性格を持っています。辛さや苦しみをうまく打ち明けられず、我慢して耐えてきた子もたくさんいます。

そんな場合は、まず心の休息が必要です
新たに前に進むには、元気を蓄える必要があります。お子さんをゆっくり休ませてあげてください。勉強や学校の話はしないで、何も詮索せず、ひたすらお子さんをいたわってあげてください。初めのうちは、お子さんをこれでもかと言うくらい可愛がって、一緒にゆったり過ごすようにしましょう。

家での過ごし方②:好きなものを積み重ねる

お子さんが笑えるようになったら、次は本人の好きなことをやらせてあげましょう。
今までやれなかったこと、やりたいけど言えなかったこと、好きだと気がついていなかったことなど、親御さんも手伝ってあげながら、お子さんが思うようにしてあげてください。
お子さんからやりたいことが出てこなかったら、街へ映画を見に行ったり、公園へピクニックに行ったり、「今度はここに行きたい!」「コレがしたい!」と自分で言えるようになります。

家での過ごし方③:親子のコミュニケーションを増やす

不登校になると必然的に家族と一緒にいる時間が増えます。
これを機に今までできなかった親子のコミュニケーションをどんどん増やしましょう。
コミュニケーションが増えると、今まで気づけなかったお子さんの気持ちにも気がつくと思います。そしてお子さん自身も、親御さんの違う一面を見ることができるので新しい関係が築けます。
この不登校の期間は、親子の絆が大きく試される期間でもあります。お子さんの最大の理解者となれるよう、絆を深めていってください。

親御さんがやってはいけないこと

お子さんと一日中一緒にいれば、どうしてもいろんな事が目について干渉しがちになってしまいます。
そんな中でも、やってはいけないNGポイントを解説します。

親御さんがやってはいけないこと①:感情的にならない

お子さんがずっと家にいると、お子さんの行動や言動にイライラすることもありますよね。ですが、そんな状況でも、決して感情的にならないでください。
なぜなら、お子さんは『試し行動』をするからです。

試し行動とは、わざと悪い行動や言動、態度を取って相手がどんな対応をするのかを確かめることです。親御さんを信じたい気持ちから、本心から心配してくれているのかを確認するわけです。
そんな状態の中であまり感情的になり過ぎると、お子さんは自分の感情を表現できなくなってしまいます。

もし、一緒にいてイライラが最高潮に達した時は、少しだけ距離を取りましょう。
30分程度でも良いので、家から出て散歩したり、お気に入りのカフェでお茶とケーキを楽しんだり、親御さん自身がリフレッシュするようにしてください。
頑張り過ぎないよう、どうかご自身をいたわる時間も作ってくださいね。

親御さんがやってはいけないこと②:過ごし方を無理に強要しない

理想の『過ごし方』を徹底させようとするのはNGです。まじめな親御さんであればあるほど陥りがちなので注意が必要です。焦らなくて大丈夫です!優先すべきなのはお子さんの気持ちです。

お子さんはゆっくりと親御さんとの経験を吸収しています。吸収したものを自分の中で消化して表現できるようになるには時間がかかります。
親御さんはゆったりと構えて、予定通りにいかなくても「ま、いいか!」と気持ちを切り替えることが重要です。親御さんの気持ちの余裕が、お子さんの心もゆったりとしてくれる効果があることを忘れないでくださいね。

不登校の小学生に一番必要なこと

お子さんを思うあまりに、あれもこれもと焦ってしまう気持ちはよくわかります。
ですが、お子さんを元気にする一番の薬は、親御さんと過ごす楽しい時間です。

学校に行けないことで勉強が遅れることを心配される方もいらっしゃいますが、大丈夫です。勉強が遅れてもすぐに取り戻す方法はたくさんあります。

まずは、お子さんと楽しい時間を過ごすように心がけてください。それが再び元気に学校に行けるようになる一番の解決策です。

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この記事の著者

曽根 大樹 / 事務責任者

私自身、不登校になった期間があります。でも、あるキッカケのおかげで立ち直ることができ、学校に通うことができました。勉強にも苦労しました。とても厳しい部活で成績が悪いと練習に参加できないため、家に帰ってから必死に勉強しました。でも、疲れていて集中できない。勉強のやり方もわからない。気持ちばかりが空回り…。そんな状態を救ってくれたのが友達のお父さんでした。時間や勉強の仕方を少し工夫するだけで成績は伸ばせることを教えてくれました。ちょっとしたキッカケや工夫で状況は大きく変えられることを、自分の経験を活かして、一人でも多くのお子さんに伝えていきたいと思います。

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