ワーキングメモリ指標(WMI)が低い子の対応方法とは
- 学校で何か覚えてきても、塾や家庭教師に教えてもらっても、すぐに忘れてしまう
- 授業で習ったことがなかなか定着しない
このような「勉強がなかなか定着しない」ことでお悩みではないでしょうか。
それは、お子さんのワーキングメモリが関係しているかもしれません。
今回はWISC-4(ウィスク4)検査の指標得点の1つである短期記憶、すなわち『ワーキングメモリ指標(WMI)』についてご説明いたします。
WISC-4(ウィスク4)検査の結果、ワーキングメモリ指標が低い時に、どのように考え、お子さんにどのように接していけばよいのかもわかります。ぜひ最後まで読んでくださいね。
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ワーキングメモリ指標(WMI)とは、どんな指標なのか
WISC-4(ウィスク4)検査におけるワーキングメモリ指標とは、ザックリ言うと
「短期的に物ごとを記憶する力」
を指します。
さらに詳しく述べると
- 聴覚刺激の短期記憶
- 無意味刺激の短期記憶
- ある条件下での短期記憶
- 集中力
などです。
人の情報は主に目、もしくは耳からインプットします。
ワーキングメモリ指標(WMI)が低いと
- 口頭の指示が理解できない
- 口頭の指示が記憶できない
- 会話が噛み合わないことがある
- 質問の内容と回答ズレる
- 集中力がすぐに切れる
ということが往々にして起こり得るのです。
口頭での指示も大事なのですが、まずは学校の勉強に焦点を当ててみます。
学校や塾、家庭教師に勉強を教えてもらってもすぐに忘れてしまう、これは「記憶」の問題だと考えていきます。
実は記憶というものはまだ完全に解明されてはいないのですが、ここでは記憶を
- 短期記憶
- 長期記憶
に分けて考えています。
脳の働きが完全には解明されていないので、あくまで現在での臨床心理学にしたがった上での簡易的な分類です。
分かりやすくいうと、
明日実施される漢字テストの漢字を今夜覚える
短期記憶※一夜漬けのようなもの
覚えた漢字を3ケ月後や半年後まで記憶し続ける
長期記憶
という感じです。
記憶はまずは短期的に記憶されます。
そして、必要なものだけが長期記憶として保持されるのです。
このように分類すると、短期記憶、長期記憶の強弱は下記の4パターンに分かれます。
短期記憶、長期記憶の
強弱パターン
〇:記憶力が高い/×:記憶力が低い
短期記憶 | 〇 | 長期記憶 | 〇 |
短期記憶 | 〇 | 長期記憶 | × |
短期記憶 | × | 長期記憶 | 〇 |
短期記憶 | × | 長期記憶 | × |
ちなみに学校の勉強は長期記憶の高い人向けなんです。
なぜなら、学校は教えることが多すぎて、復習をすることができないからです。
ワーキングメモリ指標(WMI)は、このように耳からの情報を短期的にどれだけ正確に覚えることができるのかということが分かる指標なのです。
WISC-4(ウィスク4)検査における短期記憶とは?
前述の通り、ワーキングメモリ指標(WMI)というのはWISC-4でいうところの「短期記憶」を指します。
短期記憶とは情報を一時的に頭の中に保管しながら別の作業をする能力に関する指標で、読み書きや、計算などの能力にも関わっていると言われています。
例えば、算数の繰り上げの計算をしているときに、繰り上がりの数字を頭の中で保管しつつ計算を進めていくときにその作業が必要となります。
反対に長期記憶とは?
長期記憶は、人が経験したことや学んだことを長い期間覚えておくための記憶です。例えば、自分が幼少期に経験したことや、学校で学んだことなどがその例です。
長期記憶は短期記憶に比べて情報量に制限が無い、と言われていますので、適切な学習法を身につければ、 短期記憶やワーキングメモリーが弱い人でも、効果的な学習が可能です。そのため、学校の勉強は長期記憶が高い人だけに適したものではなく、正しい学習法を身につけることが重要です。
ワーキングメモリ指標が(WMI)低い子は、どんな困難を抱えているのか
では、実際にワーキングメモリ指標(WMI)が低い子はどんな困難を抱えているのでしょうか。
- ワーキングメモリ指標(WMI)が低い子が抱えている困難とは
-
- 耳で聞いた情報が認識できない
- 耳で聞いた情報が記憶できない
- 意味のないものが記憶できない
- 頭の中で情報を整理できない
- 集中力がもたない
などです。
耳で聞いた情報が認識できない、とはどういうことなのでしょうか。
例えば、
授業中にも関わらず、他のクラスがグラウンドで行なっている体育の授業の声が気になってしまい、先生の声に集中できず理解することができない
ということです。
このようにワーキングメモリ指標(WMI)が低いと往々にして、このようなことが起こるのです。
ワーキングメモリ指標(WMI)が低い子には、どんな対応をするべきか
では、実際にワーキングメモリ指標(WMI)が低い子には、どのような対応をすれば良いのでしょうか。
対応方法
- 聴覚ではなく、視覚から情報を入れる
- 聴覚からの情報はシンプルにする
- 分かりやすいことば(単語)で伝える
- 代名詞ではなく、具体的な単語を用いる
- 分かりやすい例に置き換えて伝える
- メモを活用する
ワーキングメモリ指標(WMI)が低い子には、ワーキングメモリを鍛えるトレーニングも必須です。ワーキングメモリ、すなわち記憶力というものはトレーニングによって向上させることが可能なんです。
お子さんは、漢字を10回書いても20回書いても覚えられないということはありませんか?
しかし、記憶力を鍛えることによって2、3回書くだけで苦手な漢字を覚えられるとしたら、こんな良いことはないと思いませんか。
ワーキングメモリ指標(WMI)を鍛えるトレーニング(勉強方法)については下記の記事をご覧になってくださいね。
発達心理サポートセンターでは、WISC-4(ウィスク4)検査を出張にて実施していますし、オンラインにて、WISC-4(ウィスク4)検査結果の相談も承っています。
WISC-4の検査結果から効果的な勉強方法や弱い指標のトレーニング方法などもお伝えしています。
「WISC-4(ウィスク4)についてもっと詳しく知りたい!」という方は、発達心理サポートセンターHP(https://www.wisc4.info)でもご紹介しています。ぜひ、ご覧ください。
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