WISC-4検査における、言語理解指標(VCI)が低い子の対応方法とは?
・子どもの勉強がなかなか定着しない
・子どもの問題行動がなかなか直らない
このようなお悩みを抱えている保護者の方はとても多いです。
そういった方の中では、すでにWISC-4(ウィスク4)検査をされた方もいらっしゃるのではないでしょうか?
今回は、WISC-4(ウィスク4)検査にある4つの指標
- VCI (言語理解指標)
- PRI (知覚推理指標)
- WMI (ワーキングメモリ指標)
- PSI (処理速度指標)
のうち、VCI (言語理解指標)について、ご紹介したいと思います。
VCIの数値が低い場合、お子さんにはどんな困難があるのか。そして、どのように対応してあげるといいのかをご説明します。
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言語理解指標(VCI)とは、どんな指標なのか
まずは、【WISC-4(ウィスク4)検査】について説明致します。【WISC-44(ウィスク4)検査】とは、WISC-IVはウェクスラー式知能検査の一つです。
WISC4(ウィスク4)検査とは
ウィスク【WISC】:米国の心理臨床学者ウェクスラーが考案した児童知能検査法で、改良を重ねて現在アメリカでは最新版が『WISC-V』。日本で実施されているのは『WISC-IV(ウィスク4)』(2019年5月現在)となっています。
WISC-4(ウィスク4)では、全体的な認知能力を表す全検査IQと「言語理解」「知覚推理」「ワーキングメモリー」「処理速度」の4つの指標をそれぞれ数値化した結果が見られるます。
4つの指標とは
言語理解指標(VCI) | 言語による理解力・推理力・思考力に関する指標 |
知覚推理指標(PRI) | 視覚的な情報を把握し推理する力や、視覚的情報にあわせて体を動かす力に関する指標 |
ワーキングメモリー指標(WMI) | 一時的に情報を記憶しながら処理する能力に関する指標 |
処理速度指標(PSI) | 視覚情報を処理するスピードに関する指標 |
WISC-4(ウィスク4)検査における言語理解指標とは、ザックリ言うと
「ことばをことばとして認識してアウトプットする力」
を指します。
さらに詳しく述べると
- ことばの抽象的な概念の把握
- 言語認知能力
- 語彙力(単語力)
- 社会的な一般常識
などです。
ことばは、コミュニケーションツールです。
その子なりに言語理解があったとしても、その情報を他人が共有していないとコミュニケーションにはならないのです。
例えば、ある人が
「手帳、持ってる?」
と聞きます。
普通は、カレンダーがあるスケジュールを記入する手帳だと思いますよね。
しかし、発達障がいを抱えていたり、グレーゾーンだったり、支援級に通っていたりする場合、「手帳、持ってる?」は、「療育手帳」もしくは「障害者手帳」を指すのです。
言語理解指標(VCI)は、このようにミスコミュニケーションの原因となることばの認識や理解、使用についての情報を得るのに必要な情報なのです。
WISC-4(ウィスク4)検査の間違った解釈
勘違いしている方も多いので、ハッキリお伝えしておきます。
WISC-4(ウィスク4)検査は、その子に「発達障がいがあるのか・ないのか」を判断するための検査ではありません。
では、WISC-4(ウィスク4)検査で何が分かるのか。
それは、その子の
- 得意なところ
- 苦手なところ
が分かるのです。
つまり、WISC-4検査をしてVCI (言語理解指標)の数値が低い場合は「ことばをことばとして認識してアウトプットする力」が苦手ということになります。
言語理解指標が(VCI)低い子は、どんな困難を抱えているのか
では、実際に言語理解指標(VCI)が低い子は、どんな困難を抱えているのでしょうか。
- 言語理解指標(VCI)が低い子が抱えている困難とは
-
- 会話の際、相手が何を言っているのか分からない
- 自分の伝えたいことがことばにできない
- 指示が理解できない
- 一般常識が少しズレている
- 一度、覚えたはずのことなのに数日経つと忘れる
などです。
例えば、このような例がありました。
————————
お母さんがお子さんに
「さっきのアレ、出しっぱなしじゃない。早く片付けなさい!」
と言いました。
お子さんは
「うん。分かった。」
と言います。
でも、そのお子さんは全く動きませんでした。
————————
なぜ、お子さんは動かないのでしょうか?
実は、頭の中で
「さっき」とは、何時何分のことなのか?
「アレ」とは、何のことなのか?
「早く」とは、何分以内のことなのか?
「片付ける」とは、どういうことなのか?
このように考えているのです。
でも、一向に片付けようとしないお子さんを見て、お母さんはイライラし「なんで、やらないの!」怒ってしまいます。
この場合、お母さんの意図としては、片付けをしない理由を聞きたいわけではなく、「やりなさい」ということを伝えたかったわけです。
でも、お子さんの受け取り方は違います。
文字に起こすと分かりやすいのですが、お母さんの「なんで、やらないの!」の言葉には、「なぜ」という疑問形が含まれていますよね。お子さんは、その「なぜ」に対して、片付けをしない理由を答えようとしているわけです。
すると、すぐに片付けをしないお子さんの様子を見て、さらにお母さんはイライラ…。
言語理解指標(VCI)が低いと、往々にしてこういったミスコミュニケーションが起こるのです。
言語理解指標(VCI)が低い子には、どんな対応をするべきか
では、実際に言語理解指標(VCI)が低い子には、どのような対応をすれば良いのでしょうか。
- 分かりやすいことばで伝える
- 伝える際には簡潔に
- 話す際にはゆっくり、ハッキリ言う
- だいたいの記憶の定着日数を確認する
- 記憶法をとりこむ
- その子の一般常識を否定しない
- 新しい一般常識を追加していれる
分かりやすいことばとは、「本人が理解できることば」ということです。
子どもは分かっていなくても「うん、分かった」と言います。
なぜなら
- 聞いたら怒られる
- あまり深く考えていない
からです。
そのため、言語理解指標(VCI)が低いお子さんには
- 分かっているかどうか、本人の仕草で確認する
- 何が分かったのかを、具体的に聞いて確認する
この2つを意識して、接してあげましょう。
特に、難しいことばを使用する場合は、お子さんが理解できる言葉や単語を使って、ことばの関連付けをしてあげると、イメージしやすくなりコミュニケーションも円滑になると思います。
WISC-4検査の結果、言語理解指標(VCI)が低くて不安な方や、もっと具体的な対応を知りたい方は、ぜひ、発達心理サポートセンターの車(くるま)までご相談ください。
発達心理サポートセンターでは、WISC-4(ウィスク4)検査を出張にて実施していますし、オンラインにて、WISC-4(ウィスク4)検査結果の相談も承っています。
「WISC-4(ウィスク4)についてもっと詳しく知りたい!」という方は、発達心理サポートセンターHP(https://www.wisc4.info)でもご紹介しています。ぜひ、ご覧ください。
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