注意欠陥/多動性障害

発達障害の子が中学受験するメリットとデメリットとは?

この記事の著者

房前 みなみ / 発達障害コミュニケーション指導者

発達障害の子のお母さんの中には、中学受験をさせるべきか、地元の公立中に行かせるべきか、とお悩みの方も少なくありません。お子さんが楽しく中学校生活を送れるようにベストな環境を整えてあげたいですよね。そこで、発達障害の子が中学受験をするメリットとデメリットをご紹介します。ぜひ中学校選びの参考にしてみてください。

 

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発達障害の子が中学受験するメリット

① 小学生時代の関係がリセットされる

 
ADHDやアスペルガーの子の中には、友達とコミュニケーションがうまく取れず、トラブルになってしまうことが多くあります。特に低学年のうちは発達障害が理解されず、一度トラブルになってしまうと周囲と関係の修復が難しい場合があります。それが原因で、「学校に行きたくない」という気持ちを抱えながら登校している子も少なくないのです。

そんな時は、中学校から学校を変えることも解決の1つになります。今までの人間関係はリセットされるので、お子さんは新しい環境で新しい関係作りができます。

 

② 発達障害の支援が整っている

 
公立の中学校よりも、私立の方が発達障害の支援体制が整っていたり、少人数制で落ち着いた環境で学習ができたりと、特性を理解して対応してくれるところが多いです。大人数の環境では落ちつかない子にとっては、ベストな選択だと言えます。どうしても気持ちが落ちつかない時も、スクールカウンセラーに対応してもらえたりと、サポートも充実しているのでメリットは多いです。

 

③ 高校受験の心配がなくなる

 
中学受験をすれば、ほとんどの学校がエスカレーター式で高校に入学できます。一定の成績を取っていれば、あまりにも大きな問題を起こさない限り、そのまま高校まで進学することができます。一般的に高校受験には内申書が大きく関わってきます。つまり、テストの点数といった学力だけではなく、授業態度や生活態度なども評価の対象となるのです。そのため例えば、授業に集中できないADHDの子や、友達とコミュニケーションを取ることが苦手なアスペルガーの子などは、内申書のいらない中学受験は、高校受験のことを考えると魅力的な選択肢と言えます。

 

発達障害の子が中学受験するデメリット

① 学費が高い

 
当然ながら、公立学校と異なり私立は学費が高くなります。発達障害の子は、通院費や支援に必要なものの出費など、お金がかかることも多いと思います。それに加えて学費が高くなってしまうのは、かなりの負担と言えます。経済的にも無理のない学校を選択することが重要です。

 

② 退学や学力不振の可能性もある

 
発達障害の子に限らず、新しい環境にうまくなじめず、不登校になったり、生活態度のトラブルなどで退学せざるを得なくなる可能性もあります。そんな時はほとんどの場合、地元の公立中学校へと転校しなければなりません。

そういったことがあると、小学校の時にトラブルを起こしていた子は居場所がなくなってしまったり、傷ついたことで無気力になってしまったりと、新しい学校でも不登校になってしまうケースは少なくありません。学力がとても高かった子も、急激に成績が落ち込んでしまうこともあります。

 

発達障害の子に中学受験させるなら、楽しい中学校生活を送れる学校を選びましょう

 
学校選びとなると、まず考えるのが偏差値だと思いますが、発達障害の子にとって重要なのは、楽しい中学校生活が送れること。つまり、お子さんが安心して学習できる支援体制が整った学校を選ぶべきだと思います。公立の学校よりも私立の方が支援体制が整っている学校は多いですが、事前に発達障害についてどれくらい理解があるのか調べることが大切です。私学フェアやオープンスクールを利用して相談してみましょう。理解のある学校は多数見つかるはずです。
 
ですが学力の高い学校であればあるほど、一度授業から遅れてしまうと取り戻すのが非常に困難になります。新しい環境になじめず教室にいられない可能性があることも考えると、遅れた分をサポートしてくれる環境が学校にあるのか、ということも学校選びのポイントになります。お子さん本人が「行きたい!」と思える学校を選んで、楽しい学校生活が送れるといいですよね。

 

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この記事の著者

房前 みなみ / 発達障害コミュニケーション指導者

体を動かすのが大好き、誰とでも仲良くなれるタイプです。学生時代は陸上部に所属し、負けるのが大嫌い。とにかく強くなりたくて部活が終わった後も自主練!「勉強よりも部活!!」というタイプでした。なので、勉強にはかなり苦労しました…。でも、母が頼んでくれた家庭教師の先生のおかげで、成績を上げることができました。今度は私も同じように勉強で困っているお子さんのために「家庭教師のあすなろ」のスタッフとして、少しでも勉強を好きになってもらえるようなサポートを心がけています。

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