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ASD(自閉スペクトラム症・アスペルガー)の苦手なことへの対処法

この記事の著者

房前 みなみ / 発達障害コミュニケーション指導者

ASD(自閉スペクトラム症)やアスペルガー症候群に限らずですが、発達障害の子には苦手なことや困りごとがあります。

でも「うちの子は何が苦手か?」「どんなことに困っているか?」を正しく理解し、対処できるようトレーニングしていけば、改善していくことは可能です。

ASD(自閉スペクトラム症)やアスペルガー症候群の子どもの苦手なことや困りごとの対処法をまとめてみました。ぜひ参考にしてみてください。

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もくじ

ASD(自閉スペクトラム症・アスペルガー)とは?

ASD(自閉スペクトラム症)とアスペルガー症候群は、神経発達障害の一形態で、主に社会的な相互作用やコミュニケーション、興味や行動の面で特徴があります。ただし、ASD(自閉スペクトラム症)とアスペルガー症候群にはいくつかの違いがあります。

ASD(自閉スペクトラム症)とアスペルガー症候群の違い

ASD(自閉スペクトラム症)とアスペルガー症候群の子は、違う部分を持っています。違いを正しく知っておかないと対処法を間違ってしまう場合もあるので注意しましょう。

基本的なコミュニケーションのやり方が違う

ASD(自閉スペクトラム症)の子は非言語的なコミュニケーション、空気を読んだりすることが大変苦手です。また、言葉を使ったコミュニケーションにおいても、相手の感情や意図を正確にくみ取ることは難しいことがあります。

アスペルガー症候群の子は、一般的に言語的コミュニケーションに興味があり、達者であることが多いです。

社会とのかかわり方が違う

ASD(自閉スペクトラム症)の子は社会的な相互作用を築くのが苦手で、誰かとのつながりを築くのが難しい場合があります。また、他人の感情を理解し共感することは難しい場合があります。

アスペルガー症候群の子は、一般的に平均以上の高い認知能力を持っていることが多いです。深い知識や高い能力を持っているのですが、それゆえ他者と相いれない場合があります。

想像力が違う

ASD(自閉スペクトラム症)の子は想像力が豊かで、独自の興味や関心を持つことがあります。ひとつのトピックに対して深い知識や尽きない情熱を持ち、そのトピックについての情報を深堀していくことが楽しみになります。

アスペルガー症候群の子は特定のトピックに強い関心を持つことがあり、そのトピックについての情報をよく知っていることがあります。ただし、創造的な想像力や物語性を自分の中から編み出すのが苦手です。

ASD(自閉スペクトラム症・アスペルガー)はどんなことが苦手なの?

ASD・アスペルガー症候群の子どもは、苦手としていることが多く、日常生活が困難になってしまう場合があります。

ASD・アスペルガー症候群の子どもが苦手としていることは以下のようなことです。

ASD・アスペルガー症候群が苦手としていること

感情を伝えるのが難しい

ASD の子どもは、自分の感情や欲求を他人に正しく伝えるのが難しいことがあります。感情表現やコミュニケーションに課題を抱えていることが多いです。

騒がしい場所

ASD・アスペルガー症候群の子どもは不特定多数が出入りするような場所、大きな音がする場所では落ちつくことができません。

見通しがつかないこと

予測不可能な状況や計画の変更に対処するのが難しく、不安やストレスが増大しパニックになってしまう場合もあります。

情報を正しく受け取れない

ASD・アスペルガー症候群の子どもは、情報を受け取ることが難しい場合があります。これは、以下のような理由によるものです。

1.感覚過敏
多くのASDの子どもは、感覚に過敏です。光、音、触覚、においなど、私たちが日常的に感じる刺激が、ASDの子には大変不快に感じることがあります。

2.集中力の欠如
情報を受け取ろうとしても注意が散漫になってしまい、すべてを受け取ることができません。

失敗への恐怖心が強い

失敗や変化に対する不安が強く、新しいことに挑戦することが難しい場合があります。これは逆に言うと完璧主義な面を持っていると言うことです。

予期せぬ変化に適応できない

ASD・アスペルガー症候群の子どもは見通しがつかないことが苦手です。予定が突然、変更されると対応できなくなってしまいます。

ASD(自閉スペクトラム症・アスペルガー)の苦手なことへの対処法

ASD(自閉スペクトラム症)やアスペルガー症候群の子が苦手とすることへの対処法を、よりわかりやすい言葉で具体的に説明していきます。

1.感覚過敏に対処する

音に対する対処

騒音や大きな音に敏感な場合、騒音を軽減するためにイヤープラグやヘッドフォンを使用できます。音楽や自然の音を聴くことでリラックスできる場合もあります。

光に対する対処

強い光や明るい場所に過敏な場合、サングラスや遮光カーテンを使用して照明を調整しましょう。また、リラックスできる照明環境を整えます。

触覚に対する対処

特定の質感や刺激に敏感な場合、快適な衣服や寝具を選び、過敏な部位を保護できるようにします。

においや味に対する対処

過敏なにおいや味に対処するために、香りの軽減策や特定の食事プランを検討します。

2.ストレス管理

ストレスをコントロールすることができるようになると、感覚過敏の軽減にも大いに役立ちます。

リラックステクニックの練習

深呼吸、瞑想、ヨガなどのリラックステクニックを練習しましょう。これらの方法は感覚過敏によるストレスを軽減し、リラックスできる状態を促します。

感覚的なフィードバック

自分の感覚のトリガーを特定し、それに対処する方法を見つけます。感覚的なフィードバックを通じて、どの刺激がストレスを引き起こすのかを理解しておくと、対策しやすくなります。

予測と準備

予測可能なストレスフルな状況に備えて計画を立てましょう。例えば、騒音の多い環境に行く前にヘッドフォンを持参し、安全な場所に避難できるよう予め場所を確認することが役立ちます。

感覚ディエット

感覚過敏に対処するために、感覚刺激を段階的に調整します。特定の刺激に対して徐々に慣れていくと、過敏症状を軽減させることができます。

趣味や興味のある活動

ストレスから解放されるために、趣味や興味のある活動に時間を割り当てましょう。好きなことに時間を忘れるほど熱中するとストレスを軽減することができます。

適切な休息と睡眠

十分な休息と質の高い睡眠を確保しましょう。疲労や睡眠不足は感覚過敏の症状を悪化させてしまいます。

3.集中力の向上

環境の整備

静かで刺激の少ない学習環境を提供しましょう。騒音や視覚的な刺激を最小限に抑えることが集中力の向上に役立ちます。

ルーチンの設定

予測可能な日常のルーチンを設定しましょう。
これにより、子どもたちは次に何が起こるかを把握しやすくなります。

目標設定

子どもと一緒に学習目標を設定し、達成感を味わえるようにしましょう。小さな目標を達成することで、自己効力感を高めます。

タイムマネジメント

タイムマネジメントのスキルを教え、時間を効果的に使う方法を学ばせましょう。タイマーやスケジュールを活用することで、タスクの優先順位を把握しやすくなります。

興味を引く学習

子どもが興味を持つトピックや活動に焦点を当て、学習を楽しいものにしましょう。興味を引くことで、自発的に学ぶ意欲が高まります。

休憩の取り方

長時間の学習や作業には、定期的な休憩が必要です。休憩を挟むことで、子どもは疲れずに集中力を維持できます。

4.社会性の向上

ソーシャルスキルトレーニング

ソーシャルスキルを向上させるためのトレーニングプログラムに参加します。感情の認識、コミュニケーション能力の向上、共感力の強化などが含まれます。

社会的な場面の演習

実際の社会的な状況で練習し、リアルなフィードバックを経験します。

5.感情を認識する

感情を認識するトレーニングは共感力を高めるので、社会性の向上にも大いに役立ちます。

感情の表現を学ぶ

顔の表情や身体言語など、他人の感情を理解するための方法を学びます。

共感トレーニング

共感力を向上させるために、ストーリーテリングやロールプレイングなどのトレーニングで他者の感情を理解できるようにします。

社交スキルトレーニング

社交的な場面での振る舞いやコミュニケーションスキルをトレーニングします。ロールプレイングや実践的な実技が行われることがあります。

6.情報の処理能力の向上

情報の整理と要約

複雑な情報を整理し、要点を把握する訓練を行います。情報を視覚的に整理するマインドマップやアウトラインを活用します。

読解力の向上

読書を通じて文章の理解力を高めます。要約テクニックを使い、文章の主旨や重要な情報を把握しやすくします。

視覚的な手法の使用

視覚的な情報処理が得意な子どもには、グラフやチャートを使用して情報を視覚化することが役立ちます。

音声支援

テキスト読み上げソフトウェアやオーディオブックを使用して情報を聴くことで、聴覚的な情報処理能力を向上させます。

練習と反復

情報処理のスキルを向上させるには練習が必要です。繰り返し情報を処理する訓練を行い、スキルを磨きましょう。

これらの対処法は、ASD(自閉スペクトラム症)およびアスペルガー症候群の子どもが日常生活でスキルを向上させ、より豊かな社会的な経験を楽しむのに役立ちます。また、プロのサポートを受けながら進めると、より効果的な方法を教えてもらえる場合もあります。

ASD(自閉スペクトラム症・アスペルガー)の苦手なことへの対処法で日常生活でのスキルを向上させてあげよう

ASD(自閉スペクトラム症)およびアスペルガー症候群の子は、特定の困難に直面することがありますが、適切なサポートとアプローチによって、それらを軽減することが可能です。

対処法によって苦手を少しでも軽減できるようになると、ASDおよびアスペルガー症候群の子どもは常生活でスキルを向上させ、より豊かな社会生活を楽しむことができるようになります。

ただし、やり方は個人のニーズに合わせてカスタマイズされることが重要です。また、プロのサポートを受けることもお勧めします。

ASDおよびアスペルガー症候群の子は、自分自身の強みを見つけ、自己成長をするために、さまざまな支援やサポートを利用することも可能です。周囲の大人はそのことを子どもに伝え、時には周囲の人の手を借りることを教えてあげましょう。

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この記事の著者

房前 みなみ / 発達障害コミュニケーション指導者

体を動かすのが大好き、誰とでも仲良くなれるタイプです。学生時代は陸上部に所属し、負けるのが大嫌い。とにかく強くなりたくて部活が終わった後も自主練!「勉強よりも部活!!」というタイプでした。なので、勉強にはかなり苦労しました…。でも、母が頼んでくれた家庭教師の先生のおかげで、成績を上げることができました。今度は私も同じように勉強で困っているお子さんのために「家庭教師のあすなろ」のスタッフとして、少しでも勉強を好きになってもらえるようなサポートを心がけています。

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