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自閉症の子が大声を出しがちな8つのシーンと対処法を解説!

この記事の著者

房前 みなみ / 発達障害コミュニケーション指導者

自閉症の子どもは、突然、大きな声で叫んでしまう場合があります。

親御さんはそのことを知っているので、そう慌てなくてもすみますが、外出中などだと周りの目があるので困ってしまいますよね。

そこで今日は、自閉症の子が大声を出しがちなシーンと対処法を解説していきます。事前に原因や対処法を知ることで改善の手助けになりますので、ぜひ参考にしてください。

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自閉症の子が大声を出すのは理由があるの?

自閉症スペクトラム障害(ASD)の子どもは、感覚過敏やコミュニケーションの困難などが影響して、大きな声を出してしまう場合があります。
その理由を見極め適切な対処法を見つけるために、下のようなステップで考えていきましょう。

原因を探ってみる

大声を出す行動の背後には、さまざまな原因があります。
その一部を紹介していきます。

感覚過敏

自閉症の子の中には、特定の感覚に過剰に反応する場合があります。例えば、自閉症の子は騒音に敏感であるため、普通の音量でも大声になることがあります。

コミュニケーションの困難

自閉症の子どもは言葉や表現を使って感情を伝えるのが難しい場合があります。そのため大声を出すことで、自分の気持ちや不快な感覚を表現しようとすることがあります。

興奮状態

自閉症の子どもは刺激が多い環境や状況におかれると、興奮状態になることがあります。この興奮状態によって、大声を出してしまうことがあります。

新しい環境への適応

新しい場所や状況に関して、不安や興奮やから大声を出すことがあります。新しい刺激に対して過剰に反応してしまうので、大声になってしまいます。

感情のコントロールの難しさ

自閉症の子どもは感情のコントロールが難しい場合があります。怒りや興奮などの感情が高まると、大声を出す行動につながってしまいます。

大声を出す行動の原因には個人差があります。 親御さんはお子さんの行動をよく観察し、その行動がどのような状況や感情に関連しているのかを理解することが重要です。

自閉症の子が大声を出しがちなシーンと対処法

自閉症の子どもが大きな声を出しがちなシーンでは、その行動の根底にある原因を探ってみることが重要です。 以下に、具体的なシーンとその根底にある原因の一例と対処法を紹介していきます。

1. 騒がしい場所

ショッピングモールや遊園地など

原因:刺激過多

刺激が多い場所では、自閉症の子どもは感覚過敏を感じやすくなり、それに対する反応として大声を出すことがあります。

対処法

  • 事前に情報を伝えておく
    子どもにどのような場所に行く予定か、どのような刺激があるか伝えておき、子どもがある程度は予測できるようにしておきましょう。
  • センサーリーグッズの使用
    イヤーマフやサングラスなどのセンサーリーグッズを使用して、刺激を軽減することができます。これにより、過剰な刺激反応を軽減することができます。
  • 休憩スペースの確保
    騒がしい場所に出かけるときは、静かな休憩スペースを見つけて確保しておきましょう。刺激から一時的に抜けることができます。
  • 予測の練習
    予測可能な出来事をシミュレーションし、どのように対処するかを練習することで、実際の状況に対する準備ができます。

2. 話しているとき突然、大声を出す

原因:コミュニケーションの困難さ

自閉症の子供はコミュニケーションが得意でないので、感情や欲求を正しく伝えるのが難しい場合があります。そのため、欲求不満や不快感を大声で表現することがあります。

対処法

  • 感情の認識とラベリングの練習
    感情を正しく認識し、正しい言葉で表現できるよう練習します。感情をラベリングすることで、大声で表現する必要がないことを教えてあげられます。
  • 言葉以外のコミュニケーション法を身につける
    言葉だけでなく、ジェスチャーや絵カードなど、異なるコミュニケーション手段を身につけさせてあげましょう。子どもが自分の意思を伝えやすくなります。
  • リラクゼーション技法を覚える
    コミュニケーションにストレスを感じる場合、リラクゼーション技法でリラックスできるようにしましょう。そうすると感情のコントロールが容易になります。

3. 物事の変更があったとき

いつものルーティンが突然変更された場合などに大声を出してしまう

原因:不安感の増大

環境の変化やルーティンの変更に対して適応が難しい、新しい状況に対して不安を感じる場合、大声を出すことがあります。

対処法

  • 事前の準備と予測
    変化や新しい状況が訪れる前に、子どもに対して準備をすることが重要です。写真や絵カードを使って、どのような状況が待っているのか予測可能な形で説明します。
  • 安心できる環境を作る
    新しい場所へ行く際には、子どもが安心できるアイテムやルーティンを持参し、新しい環境の中でも子どもにとっては安全なスペースがあるようにします。
  • 新しい状況の段階的導入
    新しい状況には少しずつ慣れさせることが大切です。子どもが安心して進めるよう、段階的にアプローチしていきましょう。

4. やることが増えたとき

自閉症の子供は、社会的な要求に対して過敏に反応する場合があります。

原因

学校や家庭などでの負荷が増えると、ストレスが大きくなることがあります。 特に予測が難しい状況で負荷が高い場合、大きな声が出る場合があります。

対処法

  • ストレスを軽減する
    学校や家庭での環境を工夫して、子供が安心して過ごせるようにします。 静かなスペースやリラックスできる場所を提供し、ストレスを軽減します。
  • ルーティンの確保
    予測可能な日々のルーティンがあると、変化や予測できない状況に対する不安を軽減することができます。スケジュールやタイムテーブルを使って予測の可能性を高めてあげましょう。
  • コミュニケーションのサポート
    子どもがストレスや不安を感じたとき、感情を正しく伝えられるよう、コミュニケーションスキルを身につけさせてあげましょう。感情や欲求を言葉で表現するトレーニングを行い、大きな声を出す代わりにコミュニケーションできる方法を学ばせます。

5. レストランなどで食事している時

原因

自閉症の子どもは、感覚過敏が強まるレストランなどでの場所で食事をすると、周囲の刺激に対して過剰な反応を示すことがあります。にぎやかな環境が子どもの感覚を刺激し、これに対処しようと大声で行動することがあります。

対処法

  • 静かな場所の選択
    レストランを選ぶ際には、静かで落ち着いた場所を選ぶことが重要です。外部の刺激が少ない場所を選ぶことで、感覚過敏が軽減されます。
  • 耳栓やヘッドフォンの使用
    耳栓やヘッドフォンを使用することで、周囲の騒音を遮断し、感覚過敏を軽減することができます。
  • ビジュアルサポートの活用
    レストランでの食事の流れをビジュアルで示すカードやスケジュールボードを使用して、子どもに予測可能な状況であることを教えます。
  • 感覚統合療法の活用
    感覚統合療法は、感覚過敏を軽減するための手法です。専門家指導のもと、子どもの感覚過敏に対して正しい刺激を提供し、過敏な反応を軽減させるトレーニングを行います。

6. ショッピング中

百貨店やショッピングセンターなど

原因

自閉症の子どもは、ショッピングセンターや百貨店など複数の刺激が同時に存在する環境においては、感覚過敏を感じやすい傾向があります。これに対処しようとして大きな声を出すことがあります。

対処法

  • 適切な準備
    ショッピングに行く前に、子どもにどのような場所に行くかを説明し、どのような刺激が待っているかを伝えます。このように準備しておくと状況を予測できるので、不安感が軽減します。
  • 休憩スペースの確保
    ショッピングセンターや百貨店内には、休憩スペースが設けられています。必要な場合にはそのようなスペースに避難し、刺激を受けすぎない様にします。
  • 感情の伝え方を教える
    子どもが感じる不快感や不安を、正しく伝えられるよう支援します。 簡単な表現やジェスチャーを使って、どのような刺激に、どれくらい不快なのか、子どもが言葉以外でも伝えられるよう練習しておきます。
  • 事前に計画を立てる
    買い物の際には、どの店舗を訪れるか、どのルートを通るかなど、事前に計画を立てて子どもに伝えておくことが大切です。これによって状況を予測しやすくなるので、過敏な反応を軽減できます。

7. 刺激的なイベントや祭り

原因

自閉症の子供は、刺激的なイベントや祭りなどの場が苦手な傾向にあります。多くの人々が集まり、音楽や光、臭いなどの刺激が一度に集中する環境では、感覚過敏を感じやすい傾向があります。

対処法

  • 予測と準備
    イベントや祭りに行く前に、どのような刺激が待っているかを事前に伝え、子供に状況を理解させることが重要です。どのような刺激があるか、なるべく具体的に教えてあげましょう。
  • 休憩スペースの確保
    イベント会場内に休憩スペースを見つけておきましょう。安全なスペースを確保し、いざとなったら子供がリラックスできるよう準備しておきます。
  • 感覚を遮断できるツールの利用
    騒音や光、臭いを遮断するために、耳栓やサングラス等を使用しましょう。刺激に対する感覚を軽減することができます。
  • 参加するパフォーマンスを選ぶ
    音楽やパフォーマンスの時間、人が多くなる時間帯などを事前に把握しておき、過度な刺激を受けると思ったら、その時間は参加しないようにしましょう。
  • こまめな休息
    少しでも疲れを感じたら、イベントの刺激的な環境から離れて休息しましょう。疲労感は感覚過敏を増大します。

8. 狭い空間にいる時

原因

狭い空間では、壁や天井からの音響反射によって子が反射しやすく、さらに周囲の人々との距離が縮まることで感覚刺激を受けやすくなっています。そのような場所では不快感や不安感が強まることがあります。

対処法

  • 滞在する時間を決めておく
    狭い空間にいなければならない場合は、事前に滞在時間を決めておきましょう。子どもが安心して過ごせる範囲の、適度な時間を設けるようにします。
  • 予測と準備
    狭い空間に行く前に、どのような状況が待っているかを伝え、子どもに状況を理解させることが重要です。 狭い空間にどのくらい滞在するか、どのような活動が行われるかを説明します。
  • 避難場所を確保しておく
    狭い空間で感覚過敏を感じた場合、避難場所を確保できることが重要です。窓を開けて新鮮な空気を取り入れる、一時的に外に出るなどの行動で気分を落ち着かせることができます。

これらの対処法を活用して、感覚過敏や大声を出す行動を改善し、子どもが快適に過ごせるよう対処していきましょう。

自閉症の子どもが大声を出すのは、やむを得ない場合がほとんど。欲求を正しく理解し、適切なコミュニケーションを!

自閉症の子が大声を出す行動には様々な背景があり、それぞれの状況に適切なアプローチが必要です。

大声を出す行動は、感覚過敏やコミュニケーションの困難さ、環境への適応困難など、やむを得ない場合がほとんどです。また困難を感じている場合も、大きな声を出すことで困難さを伝えようとしています。

対処法としては、それぞれのシーンに合わせたアプローチが重要です。 環境を工夫して刺激を軽減する、予測可能な状況を見据え、感覚統合療法やルーティンの確立などが有効です。子どもの欲求を正しく理解し、適切なコミュニケーションをとることが重要です。

子どもの個性や状況に合わせた理解とサポートを提供できるようにしましょう。

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この記事の著者

房前 みなみ / 発達障害コミュニケーション指導者

体を動かすのが大好き、誰とでも仲良くなれるタイプです。学生時代は陸上部に所属し、負けるのが大嫌い。とにかく強くなりたくて部活が終わった後も自主練!「勉強よりも部活!!」というタイプでした。なので、勉強にはかなり苦労しました…。でも、母が頼んでくれた家庭教師の先生のおかげで、成績を上げることができました。今度は私も同じように勉強で困っているお子さんのために「家庭教師のあすなろ」のスタッフとして、少しでも勉強を好きになってもらえるようなサポートを心がけています。

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