自閉症の子は感覚過敏?原因やチェックリスト、対処法も解説!
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感覚過敏とは?
感覚過敏とは、外界からの刺激に対して過剰な反応を示す状態のことを言います。
この状態は自閉スペクトラム障害(ASD)の人によく見られますが、他の状態でも現れることがあります。
感覚過敏の子は、通常の感覚刺激に対して異常なほど敏感で、これによって日常生活が大きく影響されてしまいます。
例えば、運動会のスタート時に聞こえる「パーン!」という音がふいに聞こえたとしても、大抵の場合は一瞬「ん?」となるだけで、特に気にしないですよね。
ですが感覚過敏の人は、すぐに日常生活に戻れず、その後も大きな音におびえたり、それがきっかけで過去のイヤな出来事と連動させてしまったりと、様々な支障があるのです。
このような感覚過敏の症状に、あらゆる場面で影響されてしまい、日常生活を送るのが困難になってしまいます。
感覚過敏の種類・症状
感覚過敏には以下のような、様々な種類があります。
・光に対する感覚過敏
・音に対する感覚過敏
・触覚に対する感覚過敏
・においや味に対する感覚過敏
光に対する感覚過敏
光に対する感覚過敏は、明るい光やフラッシュに過敏な反応を示す状態を言います。日常生活での明るい照明や太陽の光、画面の光などによって不快感や緊張感に襲われてしまいます。
また光が強すぎると、目が痛くなったり、頭痛が起きたりすることもあります。
光に対する感覚過敏の例
明るい光が眩くて目があけにくい
蛍光灯や太陽光などの光がまぶしすぎるので、遮光眼鏡を使用する
光の明るさや色の温度の変化に敏感で、急な光の切り替わりに不快感を示す
音に対する感覚過敏
音に対する感覚過敏は、騒音や大きな音に対して過剰な反応を示す状態です。騒々しい環境や予測不可能な音がある場所では不快感が大きくなり、落ちつかない状態になってしまいます。
音に対する感覚過敏の例
高い音や鋭い音に対して耳をふさいで我慢する
誰かが話す声の音量が大きくて不快に感じる
小さな音にも過敏に反応し、集中が乱れる
触覚に対する感覚過敏
触覚に対する感覚過敏は、特定のテクスチャに対し、継続的に過敏な反応を示す状態を言います。それらの感覚刺激が肌に触れると、違和感や不快感が起こり、我慢することは困難です。
触覚に対する感覚過敏の例
特定の衣服やタグが付いたものを着ることができない
特定の食品の食感が不快で食べられない
他人から接触されることに過敏な反応を示す
においや味に対する感覚過敏
においや味に対する感覚過敏は、特定のにおいや味に対して過敏な反応を示す状態です。これによって、「食べるものが数種類しかない」「決まったものしか食べられない」状態になり、給食や外食が苦痛に感じます。
食事や環境によって不快感が異なる場合もあります。
味に対する感覚過敏の例
食べ物の味がすごく強く感じられて受け入れられない
食材の食感や舌触りに過敏な反応を示す
食品の臭いや風味に対して敏感で、食事の選択肢が制限される
においに対する感覚過敏の例
特定のにおいが異常に強く感じられ、吐き気を催す
香水や化学的なにおいに過敏に反応する
特定の環境でのにおいに敏感で、その場所にいられない
これらの感覚過敏の症状は、人によって異なります。 1つの感覚だけでなく、複数の感覚に過敏な人もいます。 感覚過敏の子は、日常生活において特定の感覚刺激に対処しながらでないと生活できないので、非常に大変です。
感覚過敏の原因
以下に一般的な感覚過敏の原因について解説します。また、この項目の下からは自閉症スペクトラム障害(ASD)における感覚過敏の原因も解説していきます。
感覚過敏の原因にはさまざまな幅があり、その中にはストレス、脳の機能、身体疾患なども含まれます。それぞれの課題点は以下のようなことです。
ストレス
長期的なストレスや過度の興奮は、脳や神経系のバランスを乱す可能性があり、感覚過敏を考える状態になることが起こります。ストレスが情報感覚の処理に影響を与える、過敏な反応を考えます。
脳の機能
脳の一部や神経回路の発達機能や異常がある場合、感覚過敏が発生することがあります。 脳の特定の領域が過剰に反応し、感覚を過敏に処理する可能性あります。
身体的な疾患
身体的な疾患障害の一部が、感覚過敏を引き起こしていると考えられます。例えば、神経系の異常や化学物質のバランスの乱れは感覚過敏に影響を与えます。
遺伝的関与
遺伝的な関与も感覚過敏の原因となることがあります。家族内で感覚過敏の傾向が共通する場合、遺伝子が感覚過敏の発症に関与している可能性があります。
神経伝達物質の異常
脳内の神経伝達物質の異常は、感覚情報の処理に影響を与え、過敏な反応を起こす可能性があります。特定の神経伝達物質のバランスが崩れることで感覚過敏が発生する可能性が高まります。
初期の環境懸念
幼少期の外部環境が感覚過敏の発症に影響を与えることがあるとも言われています。過刺激の環境や初期のストレスが、感覚情報処理の過敏さを促進することがあるとされています。
これらのことが感覚過敏の一般的な原因の一部です。 なお、感覚過敏の個別の原因は個人や状況によって異なるため、正確な原因を特定することは難しいこともあります。
自閉症スペクトラム障害(ASD)との関連
自閉症の子は、感覚過敏の傾向を持つことが多いです。ASDの脳の特性により、外界からの刺激に対する処理が一般的よりも過剰、または異常な反応を示すことがあります。
自閉症スペクトラム障害(ASD)における感覚過敏の原因
自閉症スペクトラム障害(ASD)における感覚過敏の原因は、複数の原因が絡み合っていると考えられています。
神経発達の違い
ASDの人々は神経系の発達に異常があることがあり、感覚情報の処理不備が時々起こります。
脳の特定の領域が過敏になったり、逆に鈍感になったりすることがあります。
感覚情報の統合の困難
ASD の人々は、複数の感覚情報を統合して処理する能力に難しさを感じることがあります。例えば、音や光などの刺激が同時に襲ってくると緊張してしまい、必要以上に刺激受けたり、混乱したりすることがあります。
遺伝的関与
遺伝的な関与も感覚過敏の原因の一つとされています。
感覚過敏チェックリスト
自閉症スペクトラム障害(ASD)の子に対して「感覚過敏なのかな?」と感じたら、以下のチェックリストを使って確認してみてください。
感覚過敏チェックリスト(総合)
・明るい光や強い光に対して異常な反応を示すか?
・音に敏感で、突然の音や高い音に驚いたりすることが多いか?
・特定の衣服のテクスチャや食べ物の食感に過敏な反応を示すか?
・特定のにおいや味に敏感で、不快感に襲われる?
・環境の変化や新しい状況に対して過敏な反応を示すか?
また各感覚過敏に関してもチェックリストをあげておきます。
光に対する感覚過敏チェックリスト
☑明るい光やフラッシュの光に過敏に反応する
☑光を遮る行動が多い
☑眩しさや明るさによって不快な感情を抱く
音に対する感覚過敏チェックリスト
☑高い音や騒音に対して過敏に反応する
☑耳をふさぐなど、騒音から逃れる行動をとることが多い
☑複数の音が同時に聞こえると混乱し、過負荷を感じる
☑静かな場所を好み、騒がしい場所では落ち着きにくい
触覚に対する感覚過敏チェックリスト
☑特定の質感や触覚に過敏に反応する
☑衣服の素材や縫い目などに対して敏感な反応を示す
☑軽い接触刺激でも過敏に感じることがある
☑接触されることに抵抗を感じることが多い
においや味に対する感覚過敏チェックリスト
☑特定のにおいや味に対して過敏に反応する
☑強い香りや味を嫌うことが多い
☑味の刺激が強すぎると不快な感情を抱く
☑食べ物の味や匂いが合わな過ぎる
感覚過敏の症状は個人によって異なるため、上記のチェックリストに挙げた項目がすべての人に当てはまる訳ではありません。
上記のチェックリストにない場合でも、感覚過敏が関与している可能性が考えられます。これについては専門家のアドバイスを受けるようにしてください。
自閉症の感覚過敏の対処法
以下に自閉症の感覚過敏に対する具体的な対処法を解説します。
1.環境を整える
静かな場所を提供する
音に敏感な場合、静かで落ち着いた環境を用意することが大切です。騒音を気にするので、音を吸収する素材や音のカーテンを利用することも考えられます。
明るさの調整
光に敏感な場合、照明を調整して眩しさを軽減することができます。目を守るためにサングラスや帽子を利用することも考慮してください。
2. センサリーツールの活用
センサリーテープや重りを利用
身体の感覚を調整するために、センサリーツールを利用することができます。センサリーテープや重りを身体の特定の部位に貼ることで、過敏な感覚を調整することができます。
センサリーフィジカルゲーム
特定の感覚刺激を活用したセンサリーゲームを取り入れることで、感覚過敏に対する適応能力を高めることができます。
3.日常を見通しがつくようにする
スケジュール作成で見通しをつける
やるべきことや予定を事前に提案することで、子どもが安心して日常生活を過ごせるようにします。 これによって日程や出来事が予測できるので、感覚過敏に対する不安を軽減することが可能です。
4. 言語でのコミュニケーション
コミュニケーションボードの活用
言葉に対する感覚過敏がある場合、コミュニケーションボードや絵カードを使ってコミュニケーションをサポートすることができます。選択肢を示すことで、自分の意思を伝えやすくなり、感覚過敏に対するストレスが軽減されます。
5. 個別のニーズに合わせたアプローチ
専門家のアドバイス
専門家の指導を受けて、個々のニーズに合わせた感覚過敏対策を考えることが重要です。理学療法士や職能療法士からアドバイスを得ることで、効果的な方法を見つけることができます。
感覚過敏の対策は、個人のニーズに合わせて調整されないと意味がありません。上記の方法を参考にしつつ、子どもの感覚過敏に対する適切なアプローチを見つけていきましょう。
感覚過敏の困難さを理解し、その子に合った支援方法を見つけよう!
感覚過敏は、自閉スペクトラム障害(ASD)の人々によく見られる状態で、外界の感覚刺激に対して過剰な反応を示すのが特徴です。
光、音、触覚、においなど、さまざまな感覚に対して過敏な反応が見られます。
感覚過敏の種類や症状は個人差があり、光に敏感な人は明るい光に、音に敏感な人は音声に、触覚に敏感な人は特定の触感に過剰な反応を示すことがあります。これらの感覚過敏症状は、日常生活や社会的な生活に困難さを与えてしまいます。
感覚過敏の原因は、個人差があるもの、ストレスや脳の機能、身体的な疾患などが悪影響を与えてしまうと言われています。過敏チェックリストを活用すると、具体的な感覚過敏症状を把握できるので、適切な支援方法を見つける手助けとなります。
自閉症の感覚過敏に対する対策は、環境の調整、センサリーツールの活用、見通しがつけられるスケジュール作成、言語でのコミュニケーション、個別のニーズに合わせたアプローチなどが含まれます。
あくまでも個々の状況に適した対策を見つけていくことが重要になります。
自閉症の子の感覚過敏を理解し、関係者や専門家のサポートを受けながら、感覚過敏に適した環境を提供してあげましょう。
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