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ASDの子は英語が得意!?もっと英語が好きになる学習法14のコツ

この記事の著者

房前 みなみ / 発達障害コミュニケーション指導者

自閉スペクトラム障害(ASD)を持つ子供たちは、その特性によっては英語学習で驚くほどの進歩を見せることがあります。言語の構造や規則性に対する独特の観察力、繰り返しのタスクに対する耐性などが、英語学習において彼らに有利に働く場合があるのです。今回は、ASDの子供たちがどのように英語学習で得意とするポイントがあるのかを探っていきましょう。

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もくじ

ASD(自閉スペクトラム障害)の子どもが英語を得意な理由

ASD(自閉スペクトラム障害)の子どもが、英語の方が日本語での会話よりも得意なのは、以下のような理由があるからです。

1. プレッシャーが少ない

英語で話すことは、日本語と比較すると、ASDの子どもたちにとって「他人とのコミュニケーション」に関する社会的な圧力が少ない環境です。

日本語で会話する場合は、どうしても「行間を読む」「空気を読む」などの、目に見えない無言のルールのようなものがありますが、英会話であればそのような気遣いはいりません。

これは、空気を読むことが苦手なASDの子にはうってつけの環境と言えます。

2. イメージや視覚でとらえるのが得意

ASDの子どもは、視覚的な情報処理が得意な場合が多いです。そのため、英単語などのイメージを構築しやすいので、言葉の理解がスムーズに進みます。

3. 英語には論理的なルールがある

英語は、文法や構造が比較的論理的なルールに基づいているため、ASDの子どもたちが得意とする、論理的思考と相性が良いと言われています。
また英語の理解が進むと、日本語の文法や構造の理解が一気に進むことがあります。

4. 使い分けの理解が早い

英語は、日本語と比較して言葉のバリエーションが豊富であり、異なる表現やニュアンスを使い分けることが求められます。ASDの子どもはイメージでとらえるのが得意なので、こういった使い分けの理解が早いです。

5. 新しい刺激に関心を持てる

英語は、日本語とは異なる音やリズムを持つため、ASDの子どもたちにとっては新たな刺激を受け入れる機会でもあります。新しい音やリズムに対する関心が高まるので、英語学習のモチベーションも上がります。

これらの理由から、ASDの子どもは日本語より英語での会話の方が得意になる場合があります。子どもの得意を伸ばしてあげれば、さらに自信が持てるので、相乗効果が期待できるようになります。

ASD(自閉スペクトラム障害)の子が得意な2つの英語学習

英語の勉強が得意といっても、文法やヒアリングなど英語の勉強にも様々な種類があります。

その中でASDの子が得意と言われていのは、この二つの勉強です。

・英会話
・受験英語

なぜ、この二つを得意とするのか、理由を解説していきます。

英会話の勉強が得意な理由

独自の学習スタイルの活用

ASDの子どもは独自の学習スタイルを持つことがあります。 英会話の勉強は自分のペースで学び、自分の興味に合わせて学習内容を選ぶことができので、やりやすい、学びやすい環境を作ることができます。

視覚的な学習の活用

ASDの子どもはイメージでの情報処理が得意なことがあります。 英会話の勉強では、映像や図を使って言葉や表現を理解することができるため、学習効果が増大します。

文法ルールの理解が早い

英語は日本語と異なる文法ルールを持っており、ASDの子どものような論理的思考が得意な子は、文法の規則性を理解しやすいと言えます。

受験英語学習が得意な理由

ルールの遵守が得意

ASDの子どもはルールを遵守するのが得意な子が多いです。受験英語は特定のルールや形式に基づいて問題が出題されることが多く、ルールを遵守するのが得意なASDの子どもには適している場合があります。

テキスト上だと理解が進む

ASDの子どもは日常のコミュニケーションで苦労することが多いです。ですが受験英語のようにテキストを通じたコミュニケーションであれば、ストレートに情報伝達できるので、理解が早く進みます。

得意なスキルを活かせる

受験英語の学習は、主にテキストを用いて進められるため、書かれた情報を理解するスキルが求められます。ASDの子どもはテキストの情報処理が得意なので、スキルを活かすことが可能になります。

自分のペースで勉強できる

受験勉強は、個人のペースで進められることが多く、環境を自分でコントロールしやすい特徴があります。自分のペースで勉強が進められるので、ASDの子どもは安心して集中することができます。

以上のような理由から、ASDの子どもにとって英会話の勉強や受験英語の学習は、日常生活よりも困難がない状態をつくり出すこと可能です。自分のペースで得意を活かして学習できるので、効率やモチベーションを保ちやすいと言えます。

ASD(自閉スペクトラム障害)の子が英語を勉強する場合の14のコツ

ASDの子が英語を勉強する場合、周囲はどのようなことに注意してあげればいいのでしょうか?

ASDの子どもが英語学習をもっとムーズに進められるようになるコツを紹介します。

1. 個別のニーズに合わせたアプローチ

ASDの子どもは個々に異なる特性を持っています。彼らの興味や得意分野に基づいて英語の学習内容を選べば、興味を持ちながら学ぶことができます。

2.目で分かる学習ツールを活用する

ASDの子どもは視覚的な情報処理が得意です。図や映像を活用した学習教材を使用することで、英語の学習進度を促進することができます。

3. 学習の経過をたくさん褒める

ASDの子どもに限らず、やる気を高めるにはポジティブなフィードバックが重要です。学習過程で些細なことでも沢山ほめてあげて、小さな成功体験をどんどん積ませてあげると、さらにモチベーションがアップします。

4. インタラクティブな学習を取り入れる

対話的な学習方法を取り入れてあげると、英語のコミュニケーションスキルを向上させることができます。ゲームなどで実践的な学習を進めましょう。

5. ストレスのない環境を用意する

ASDの子どもはストレスを感じやすいことがあります。リラックスした雰囲気の中で学習を行い、学習に効果的な環境を作ってあげましょう。

6. 短いセッションと休憩の導入

長時間の学習よりも、短いセッションと休憩を問い入れた学習の方が効果的です。集中力も増すので、疲れを軽減できます。

7. 目標設定と達成感の確保

小さな目標を設定し、それを達成することで達成感と自信を感じることが重要です。目標をクリアするたびにポジティブな経験を積み重ねることができます。

8. 勉強を習慣化し、ルールを作る

習慣化の重要性
ASDの子どもは日常生活の中で見通しがつくと安心感を得ることができます。学習にもルーティンやルールがあると、気持ちが安定します。

ルールの明確化
英語学習に関しても、ルールを明確にしておくことが大切です。学習時間や方法、目標などをルールとして設定してあげましょう。

9. 指示の仕方

概念的で具体的な指示
ASDの子どもには、状況やタスクの指示を、できるだけ具体的に伝えてあげましょう。複数の指示を一度出すのではなく、一つずつ指示して、確実に理解できるようにしましょう。

視覚支援
図やカードを使って指示を補強してあげると、視覚的な情報から理解できるので分かりやすいです。

10. 子どものこだわりを認める

子どもの興味を尊重する
ASDの子どもは、特定のモノに興味や関心を持つことがあります。その興味に合わせて学習の内容を調整してあげると、学習効果を高めることができます。

こだわりを尊重する
子どものこだわりに否定的な意見を持たず、ポジティブに受け入れる姿勢が重要です。子どものこだわりを大切にしてあげると、学習の楽しさを高めることができます。

11. 教える人は信頼関係がある人を選ぶ

ASDの子どもは、信頼できる人とでないと安心できません。教える人を選ぶ場合は、子どもが安心できる人を選びましょう。信頼できる人の元であれば学習への意欲が湧き、やる気がさらにアップします。

12. 穏やかに話すようにする

教える場合は、穏やかなトーンでコミュニケーションを取るよう心がけましょう。不安を感じていると質問ができず、疑問を持ちしてしまうので理解が進みません。

13. 学習計画がビジュアルでわかるようにする

ビジュアルスケジュールを使って学習の進み具合やスケジュールが一目でわかるようにしてあげましょう。見通しがつくので安心できます。

14. 疑問を残さない

安心感を与えてあげる
ASDの子どもたちは予測できない状況に不安を感じます。学習中に疑問や不安が残やないよう、しっかりと準備しておきましょう。

わかりやすい説明
教える人は学習内容やタスクに関する説明をわかりやすく行うことが重要です。図や具体例使い、視覚的に説明してあげましょう。

以上が、ASDの子が英語を勉強する場合のコツと重要ポイントについての具体的な考え方です。 子どもの特性やニーズに合わせて適切な方法を選んであげるようにしましょう。

ASD(自閉スペクトラム障害)の子と英語の相性はバツグン!学習しやすい環境を作ってあげよう

ASDの子どもたちにとって、英語の学習は得意を活かせる場面が多いので、楽しみながら進めることができます。

そのポテンシャルを最大限に引き出すために、今回説明したコツを活用しながら、お子さんをサポートしてあげてください。

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この記事の著者

房前 みなみ / 発達障害コミュニケーション指導者

体を動かすのが大好き、誰とでも仲良くなれるタイプです。学生時代は陸上部に所属し、負けるのが大嫌い。とにかく強くなりたくて部活が終わった後も自主練!「勉強よりも部活!!」というタイプでした。なので、勉強にはかなり苦労しました…。でも、母が頼んでくれた家庭教師の先生のおかげで、成績を上げることができました。今度は私も同じように勉強で困っているお子さんのために「家庭教師のあすなろ」のスタッフとして、少しでも勉強を好きになってもらえるようなサポートを心がけています。

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