反抗挑戦性障害って何?ADHDの特性との違いや対処法を詳しく解説
ADHDを抱えるお子さんの対応は難しく、大人に対して常に反抗的な態度を取る子もいます。
「最近反抗期なのかな?」と感じる方も多いのですが、実は違います。
ADHDの特性と反抗期の認識を一緒にすると、間違った対応をしてしまい事態を悪化させてしまうので注意が必要です!
【反抗挑戦性障害】を引き起こしてしまうかもしれません。
そこで、ADHDの特性と反抗期の違いや対応方法を詳しくお伝えしていきます。
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ADHDの特徴と反抗期の違い
そもそもADHDが『反抗期に見える』特性を持っていることを理解するところから始めましょう。
『言うことを聞かない』『落ち着かない』など、さまざまな面で反抗期のお子さんと似たような態度を取っているからです。
これが反抗期のお子さんとADHDを抱えるお子さんへの対応方法を間違えてしまう原因にもなるのです。
まずは反抗的に見えるADHDの特性を確認しましょう。
反抗的に見えるADHDの特性
反抗的に見えるADHDの特性は次の通りです。
- 言うことを聞かない
- 思ったことを口にする
- 頑固である
それぞれ解説していきます。
言うことを聞かない
反抗的に見えるADHDの特性の一つ目は、言うことを聞かない点です。
「はやく宿題をしなさい!」と言ったはずのに気づくとテレビを見ている。
そんな時「何やってるの!?」と叱ってしまうこと、よくありませんか?
こういった事が続けば「私の言うことなんか全然聞かない!」と思ってしまいがち。
ですがこの行動はADHDによくある特性であり、衝動性や多動性が原因なのです。
より詳しくお伝えすると、
- 衝動性:〇〇したい!と思うと理性で歯止めが効かなくなる
- 多動性:動いていないと落ち着かない
このような特性です。
ADHDの特性から【言うことを聞かない子に見えている】だけで、反抗期とは言えません。
思ったことを口にする
思ったことを口にするのもADHDの特性の1つです。
親御さんに対して結果的に失礼な言葉をぶつけてしまうだけで、反抗しようとして口に出しているわけではありません。
他にもお子さんが話したいことを遠慮なくしゃべり続けてしまう特性もあります。
両方がお子さんに見られる場合には、反抗期ではなくADHDの特性だと考えてもいいでしょう。
頑固である
最後の特性は頑固である点です。
一見するとフラフラと行動しがちで頑固というよりも軟弱。
そんなイメージを持たれることも多い特性ですが、好きなものにはとことん熱中し、過集中になってしまいます。
具体的な例としては
『ゲームに熱中しすぎて話しかけても全然聞いていない』
こういった経験はありませんか?
この特性はASD(自閉スペクトラム症)にもあり、興味の偏りや好きなものへの集中が挙げられます。
つまり親御さんの言うことを『聞かないのではなく、耳に入っていない』だけなので、一般の反抗期における態度とは異なる点を覚えておきましょう。
そもそもADHDには反抗的に【見える】特性がある
ここまでADHDが反抗期のように見える特性をお伝えしてきましたが、これらはすべて【反抗的に見える】特性なだけ。
お子さんも反抗したくてやっているのではありません。
それでは反抗期とはどのようなものかという点を次の項目で確認していきましょう。
反抗期と考えられるチェックリスト
反抗期とは発達段階において大人や親御さんからの指示に対して拒否したり、抵抗したりすることを指します。
明確に抵抗感をあらわす言動や行動になるのが特徴的です。
とはいえ反抗期は大人から自立したいと考える人間の自然な発達段階なので、反抗期がないのも問題です。
そのため反抗的な態度を取ることも成長に必要なことと考え、受け入れてあげるようにしましょう。
時期
反抗期は一般的に2回起こるといわれています。
一度目は幼児期、二度目は思春期と呼ばれる中学生から高校生段階となっています。
もちろん明確な時期が決まっているわけではないので、いつ頃反抗期になるかを予測するのは難しい場合もあります。
どちらの時期も反抗期としては有名ですが、思春期に来る反抗期ほどイメージ通りの反抗期になります。
幼児期の反抗は【イヤイヤ期】としてお母さんにはおなじみのことなので、懐かしく思い出されますね。
そこで次の項目では幼児期の反抗期の態度を含め解説します。
態度
幼児期の反抗期の態度はイヤイヤ期といわれるほど『何に対してもイヤ』といったものです。
イヤという言葉を使いながら、自分が思い通りにならないことがあるとスネてしまいテコでも動かなくなる場合もあります。
これは自我の発達によって、お子さん自身の思い通りにならない現実を受け入れていく発達段階です。
思春期の反抗期の態度は『暴言を吐く』『暴力的になる』といったものです。
先ほどもお伝えしたように、イメージ通りの反抗期。
この態度がどのようなものなのか、以下の項目ではより詳しくお伝えしていきます。
暴言を吐く
思春期の反抗期における態度・行動の中で親御さんを困らせてしまうものの一つに『暴言を吐く』があります。
暴言を吐くとは、度を超えた乱暴な言葉で人を罵ったり傷つけたりすることです。
お子さんの主張の真意を理解し、最低限のマナーを諭していく必要があります。
目上の人に反抗する
目上の人に対して反抗するお子さんも思春期の反抗期には多いです。
とくに親密な関係になっている目上の人に対して反抗するお子さんが多く、学校の先生や習い事の先生には真面目に従うものの、親御さんには強く当たってしまいます。
つまり反抗するのは『心を許している証拠』。
もちろん目上の人に対して全般的に反抗するといった態度に出るお子さんもいます。
その場合はお子さんの主張の真意を確認して、お子さんが正しいと思うなら相手方に親御さんが「無礼な態度は謝ります。でも、うちの子が言っていることも正しい」と言うべきです。
暴力的になる
暴力的になる点も思春期の反抗期における態度・行動といえるでしょう。
『物に当たってしまう』『親御さんに暴力をふるってしまう』お子さんも中にはいます。
精神的な不安定さからくるもの。
暴力的な素振りを見せたら問い詰めるのではなく、一旦話を聞いてあげることを意識しましょう。
頭ごなしに叱ってしまうと余計に反抗的になってしまいます。
お子さんもなぜ暴力的になってしまうのかわからない、ということが多いです。
まずは受け入れることからスタートし、毅然とした態度で暴力はダメという指導も行ってください。
ADHDと反抗挑戦性障害との関係性
ADHDのお子さんの半数が【反抗挑戦性障害】に陥ってしまう可能性があるのをご存じですか?
この状態が長く続くと特定の人だけでなく周囲の大人全員に反抗的な態度を取ってしまい、生活に不都合が生じてしまいます。
これには反抗期とともにADHDの二次障害と考えられる【人間不信症】と合併が考えられるので、治療が必要になってきます。
ではこの【反抗挑戦性障害】がどのようなものかを確認していきましょう。
反抗挑戦性障害とは
否定的、反抗的、不服従の行動を繰り返し起こす病気で、多くの場合、権威のある人物が対象になります。
少し定義が難しいのでもう少し簡単に言い換えると、恋人や友人にも反抗的に当たってしまう可能性のある障害だといえます。
この症状が数年続いてしまうと周りの方と疎遠になってしまい、余計に反抗挑戦性障害の症状も悪化するといわれています。
『なんにでも反抗的』『ささいなことに文句を言う』『酷い言葉で何かの悪口を言う』『誰も信用していない』状態。反抗的、暴力的、威圧的な態度、対応が増えていくばかりなので、障害の症状はさらに悪化の一途をたどります。
反抗挑戦性障害と合併する可能性のある症状
反抗挑戦性障害と合併する可能性が高いのが次の2つの症状(障害)です。
- 素行症
- ADHD
どのように合併するかをお伝えしていきます。
素行症
素行症とは人に暴力を振るう、盗みを働くといった一般的に社会悪とされる行動を行ってしまう病状です。
反抗挑戦性障害の場合、初期段階では親しい目上の方に対する反抗的態度が継続しますが、症状が続くにつれてこのような素行症との合併も見られるようになります。
ADHD
ADHDを抱えているお子さんも反抗挑戦性障害に悩まされる可能性があります。
幼少時から反抗挑戦性障害を発症すると言われており、発症率は20~50%と言われています。
加齢するごとにADHDと反抗挑戦性障害が合併する可能性が高まる
反抗挑戦性障害を抱える原因として考えられるのが、ADHDの二次障害である【人間不信】。
発達障害のお子さんは周りの子と比べて物事ができず「自分はダメなんだ」と自己肯定感が低い傾向にあります。
周囲の理解が得られず、お子さんにしてみると「理不尽な扱いを受けてきた」と感じることも。
こういった状態が続くと【人間不信】になり周りの人たちが信じられず、反抗挑戦性障害となるのです。
この傾向は加齢が進むと、さらに社会から理不尽な扱いを受けることが増え人間不信も悪化するので、合併する可能性が高まります。
ADHDと反抗挑戦性障害が合併するとどんな症状になるか
ではADHDと反抗挑戦性障害が合併したときの症状にはどのようなものがあるかというと次の通りです。
- 人間不信的行動
- 家族との喧嘩・衝突
- 他人とのコミュニケーション障害
このように段階を経るごとに学業やコミュニケーションなど社会的な活動に対して障害が発生してきます。
エスカレートし家族から他人に移行する前に対処しなければなりません。
お子さんが反抗期や反抗挑戦性障害になったら
では親御さんはお子さんが反抗期や反抗挑戦性障害になったら、どのように関わっていくべきかを解説していきます。
反抗期の関わり方
一般的に考えられる反抗期の関わり方は次の通りです。
- お子さんに必要以上干渉しない
- お子さんの味方であることを伝える
- 常に見守る
お子さんにとって唯一の味方は親御さんです。
反抗的な態度を取られると辛くて悲しい気持ちになると思いますが、親はお子さんが甘えられる存在。
優しく見守ってあげてください。
お子さんに必要以上干渉しない
ADHDを抱えるお子さんが反抗期になった場合の関わり方の一つ目は、お子さんに対して必要以上に干渉しない点です。
干渉とは「〇〇しなさい」などの命令や指示を伝えることで必要最低限の社会マナーを伝える必要はありますが、親御さんの言いなりにしてはいけません。
お子さんの味方であることを伝える
お子さんの味方であることを常に伝えるのも徹底しましょう。
というのも、先ほどもお伝えしたようにADHDを抱えるお子さんは常に周りとの比較で精神的にストレスを抱えている可能性があるからです。
たとえば「お母さんはあなたのことをすごいと思っている。そんなお母さんはヘンかな?」と自信を失った時に伝えてあげるだけでもお子さんは救われます。
常に見守る
最後は言葉で伝えながら常に見守ることです。
見守るとは手助けしてあげたい状況下であっても、生命に関わる出来事が起きない限り、手取り足取り教えるのではなくまずは任せてみることを指します。
これは教えるよりも難しいですが、自立しようと反抗期になっているお子さんに対して叱ったり指示したりするのはできるだけ止めておきましょう。
反抗挑戦性障害の関わり方
反抗挑戦性障害への関わり方は反抗期への関わり方とは異なります。
反抗挑戦性障害は専門医に必ず相談して治療を行なってください。
とくに反抗期かなと感じた頃には人間不信の段階から周りへの攻撃に切り替わってしまっているため、症状が進んだ状態となります。
そのため早期に治療を開始し社会生活をきちんと送れるようにしてください。
もしかして反抗挑戦性障害かも…と感じたら
ADHDを抱えるお子さんの半数が反抗挑戦性障害に発展する可能性がある点を覚えておきましょう。
反抗挑戦性障害を抱えたまま歳を重ねると、目上の方だけでなく恋人や友人にもお子さんは危害を加えてしまい、家庭を壊します。
反抗挑戦性障害の疑いが強い場合には、病院や専門家に相談し早期の治療をしてあげることがお子さんの将来の幸せにつながります。
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